ファクタリングが違法になるかどうかが気になりますか?
- ファクタリングは違法?
- 違法なファクタリング業者に見られる共通点?
- 契約形態ごとのメリット&デメリットは?
上記のような疑問を解決すべく、本記事ではファクタリングの違法性の有無や悪徳業者の共通点などについて解説します。
ファクタリング業者の中には、ファクタリングを名乗った悪徳業者や違法な貸金業者(いわゆる闇金)が紛れているのも事実です。
また失敗しないファクタリングの活用法として、契約形態ごとの注意点やメリット&デメリットもあわせて解説します。
悪徳業者に騙されて後悔したくない人は、ぜひ最後までご覧ください。
ファクタリングは違法?
ファクタタリングとは、簡単に言えば「売掛債権の買取サービス」のことです。
ファクタタリングは上手く活用すれば売掛債権を早期に現金化できるため、資金繰りが厳しい中小企業などに推奨されています。
そのため、結論から言えば「ファクタリング」自体は違法ではありません。
ただし金融庁や消費者庁でも注意喚起されている通り、違法な貸付をする金融業者がファクタリングと称し営業しているのも事実です。
違法業者でファクタリングを利用すればかえって資金繰りが悪化したり、最悪の場合倒産や廃業につながる恐れもあります。
しかし、安心してください。これから違法なファクタリング業者に見られる共通点を7つ紹介します。
違法なファクタリング業者に騙されないためにも、共通点をしっかり理解しておきましょう。
こんな業者は要注意!違法業者に見られる7つの共通点
違法なファクタリング業者に見られる共通点は、次の7つです。
- 契約書がない
- 会社所在地がデタラメ
- 法外な手数料を取られる
- 債権未回収時の弁済を売主に求める
- 利息を取ろうとしてくる
- 分割払いができる
- 給与ファクタリングを勧めてくる
それぞれ詳しく解説します。
契約書がない
違法なファクタリング業者に見られる共通点の1つ目は、「契約書がない」ことです。
そもそもの契約書が存在しなかったり、契約書がある場合でも内容に不審点が見受けられたりします。
特に契約書の中に、「債権譲渡契約(売買契約)」の記載がない場合は要注意。ファクタリングは、融資やローンではなく売掛債権の売買契約です。
そのため契約書に「債権譲渡契約(売買契約)」がない場合は、ファクタリングの契約ではない可能性があります。
契約書がなかったり、あっても不審な点が見受けられる場合は契約を進めないようにしましょう。
会社所在地がデタラメ
違法なファクタリング業者に見られる共通点の2つ目は、「会社所在地がデタラメ」なことです。
会社の所在地が存在しない住所だったり、まったく関係のない他人の住所を記載している場合もあります。
住所が正しいか確認するためには、ファクタリング業者の法人登記を取得するといいでしょう。
法人登記は法務局の窓口で取得できる他、オンラインでの取得手続きも可能です。
またファクタリング業者の住所が近い場合は、直接現地へ視察に行くのも良いでしょう。
法外な手数料を取られる
違法なファクタリング業者に見られる共通点の3つ目は、「法外な手数料を取られる」ことです。
ファクタリングには、契約形態により「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」があります。
契約形態ごとの手数料の相場は、以下の通りです。
契約形態 | 手数料の相場 |
---|---|
2社間ファクタリング | 10~20%程度 |
3社間ファクタリング | 1~9%程度 |
上記の相場と比べ法外な手数料を請求される場合には、違法なファクタリング業者である可能性を疑いましょう。
また2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いやメリット&デメリットについては、後ほど詳しく解説します。
債権未回収時の弁済を売主に求める
違法なファクタリング業者に見られる共通点の4つ目は、債権未回収時の弁済を売主に求めることです。
売掛債権の未回収時に売主に弁済を求める契約方法は、償還請求権のあるリコースファクタリングに該当します。
償還請求権のあるリコースファクタリングの場合、売掛債権が回収できなかったときは買い戻しする必要があるため、厳密にいえば売掛債権を担保にした借り入れです。
実際にリコースファクタリングはファクタリングではなく、金銭消費貸借契約の融資に該当するという判例が出たという事例もあります。
ファクタリング業者を名乗った違法な貸金業者は、リコースファクタリングで利用者が支払う費用(利息)を法外な料金で請求することがあります。
リコースファクタリング自体は違法ではありませんが、リコースファクタリングは融資にあたるため銀行もしくは貸金業者でないとできません。
しかし中には無登録の貸金業者(いわゆる闇金など)が法外な利息の回収を目的に、リコースファクタリングを勧めてくる場合もあります。
リコースファクタリングを検討する際は、契約相手が無登録の貸金業者でないか必ず確認しましょう。
利息を取ろうとしてくる
違法なファクタリング業者に見られる共通点の5つ目は、利息を取ろうとしてくることです。
ファクタリングは前述したように、融資ではなく売掛債権の買取サービスです。
そのため金融取引に見られる「利息制限法」「出資法」「貸金業法」といった法律は、基本的にファクタリング業者には適用されません。
もしファクタリング業者が利息を請求するのであれば、貸金業者としての登録が必要になります。
もちろんファクタリング業者の中には、正式に貸金業登録もしているところもあります。
しかし貸金業は登録までのハードルが高い上に、ファクタリング自体は貸金業には該当しません。そのため多くの業者は貸金業の登録まではしていません。
利息を取ろうとしてくるファクタリング業者がいた場合は、必ず貸金業の登録をしているか確認しましょう。
違法なファクタリング業者の中には、手数料と称した利息を請求してくる場合もあるため注意が必要です。
分割払いができる
違法なファクタリング業者に見られる共通点の6つ目は、分割払いができることです。
ファクタリングは貸金業ではないため、基本的に金利が発生する分割払いはできません。
そのためファクタリング業者が、貸金業法に抵触する恐れのある分割払いを勧めること自体が怪しいのです。
もし分割払いを勧めてくる業者がいれば、高額な金利を目的とした違法業者である可能性を疑いましょう。
給与ファクタリングを勧めてくる
違法なファクタリング業者に見られる共通点の7つ目は、給与ファクタリングを勧めてくることです。
給与ファクタリングとは、個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権を手数料込で買取り金銭を交付し、当該個人を通して資金を回収すること。
つまりこの給与ファクタリングは、「貸金業」に該当する契約です。
もし貸金業登録をしていない違法な貸金業者(いわゆる闇金)と契約した場合、年率換算で数百~千数百%になる手数料を支払わされる可能性があります。
またファクタリング業者には認められていない、「取り立て」と称した恫喝や迷惑行為を受けることも考えられます。
給与ファクタリングは金融庁のサイトでも注意喚起されているほど、悪質な手口です。
給与ファクタリングをファクタリング業者から提案された場合は、違法な貸金業者である可能性を疑い騙されないように注意しましょう。
失敗しないファクタリング|契約形態ごとのメリット&デメリット
ファクタリングには、「2社間契約」と「3社間契約」の2つの契約形態があります。
それぞれの契約形態のメリットとデメリットを把握することで、ファクタリングの利用で失敗する可能性を減らせます。
2社間契約と3社間契約のメリットとデメリットについて、それぞれ解説します。
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングとは、ファクタリング業者とファクタリング利用者との2社間で契約されるファクタリングのことです。
ちなみに2社間ファクタリングは企業と企業の契約だけではなく、企業と個人(フリーランスなど)で契約することもできます。
そのため「2者間」と表記されることもありますが、どちらも利用者が企業か個人かの違いだけで、契約方式の違いなどはありません。
2社間ファクタリングのメリット
2社間ファクタリングのメリットは、以下の通りです。
- 売掛先の企業にファクタリング利用の通知が届かない
- 入金までのスピードが早い
2社間ファクタリングはファクタリング業者と利用者の2社間(2者間)で契約されるため、売掛先の企業にはファクタリング利用の通知が届きません。
そのため売掛先の企業へ「経営が悪化しているのではないか」といったマイナスなイメージを持たれる心配がなく、安心して利用できます。
また2社間ファクタリングは売掛先の承認が不要なため、入金までのスピードが早いのも特徴です。
早急な資金調達が必要な場合には、2社間ファクタリングでの契約を検討しましょう。
2社間ファクタリングのデメリット
2社間ファクタリングのデメリットは、3社間ファクタリングと比べ手数料が高いことです。
3社間ファクタリングの手数料の目安が1〜9%なのに対し、2社間ファクタリングの手数料の目安は10〜20%と高めに設定されています。
これは3社間ファクタリングの方が2社間ファクタリングと比べ、未回収のリスクが低いためです。
手数料をできるだけ抑えたいのであれば、2社間ではなく3社間ファクタリングでの契約を検討してみましょう。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングとは、ファクタリング業者とファクタリング利用者、そして売掛先の企業を含めた3社間が関わる契約方式のことです。
3社間ファクタリングは、まず売掛先の企業がファクタリングの利用を承認するところからスタートします。
もし売掛先の企業がファクタリング利用を承認しない場合には、ファクタリング業者とファクタリング利用者との契約は締結しません。
売掛先の企業がファクタリング利用の承認を認めれば、ファクタリング会社が売掛金から手数料を差し引いた分を先払いします。
その後取引先がファクタリング会社に売掛分を支払うことで、手続きが完了するという仕組みです。
3社間ファクタリングのメリット
3社間ファクタリングは、やはり手数料の安さが最大のメリットとなります。
2社間ファクタリングの手数料の相場は10〜20%ですが、3社間ファクタリングは1〜9%とかなり低めの相場です。
ファクタリング会社にとって売掛先企業が取引に関わる3者間ファクタリングは、架空債権や二重譲渡などによるリスクを抑えられるメリットがあります。
また「売掛金を持ったまま破産or廃業する」ことによる未回収リスクもないため、その分2社間ファクタリングより手数料を低く設定できます。
3社間ファクタリングのデメリット
3社間ファクタリングのデメリットは、ファクタリングを利用時に取引先の合意を得なければならないことです。
当然のことながら、取引先がファクタリングに理解を示さないと断られる可能性があります。
また取引先にファクタリングの利用を知られることで、「資金繰りが悪化している」「倒産するのではないか」などのマイナスイメージを与える恐れもあります。
取引先にファクタリングの利用を知られたくない場合は、必ず2社間ファクタリングで契約するようにしましょう。
失敗しないファクタリング業者の選び方
ファクタリングの業者選びで失敗しないためのポイントは、以下の3つです。
- ファクタリング業者の属性で選ぶ
- 手数料の低さで選ぶ
- 入金スピードの早さで選ぶ
では、ポイントを1つずつ解説します。
ファクタリング業者の属性で選ぶ
ファクタリング業者を選ぶ際は、ファクタリング業者の属性と自身の属性がマッチしているか確認しましょう。
ファクタリング業者は、「大企業向け」「中小企業向け」「個人事業主やフリーランス向け」など、属性ごとに利用範囲を分けていることがほとんどです。
例えば自身が個人事業主やフリーランスであれば、個人事業主やフリーランス向けのファクタリング業者を選ぶことで、審査に通りやすいなどのメリットを受けられます。
また金額が大きい(億単位)の売掛債権であっても、大企業向けのファクタリング業者であれば取引できることもあります。
自身の属性と合ったファクタリング業者で契約すれば、業者選びで失敗する可能性を減らせます。
手数料で選ぶ
ファクタリング業者を選ぶ際に注目したいポイントが、手数料の下限や上限です。当然ながら、手数料が低いほど手元に残る資金は増えます。
手数料の相場は前述した通り、3社間ファクタリングで1〜9%、2社間ファクタリングで10〜20%です。
できるだけ安い手数料の業者で契約したいところですが、手数料が相場より安すぎる場合は注意が必要です。
悪質なファクタリング業者の場合、審査後に高額な手数料へと提示し直されることがあります。
また手数料は下限だけではなく上限の値も確認しておくと、事前に手元にいくら残るかが計算しやすくなります。
「相場よりも極端に安いor高い手数料ではないか」「手数料の上限はいくらか」を確認しておくのがポイントです。
入金スピードで選ぶ
ファクタリング業者を選ぶ際は、入金スピードにも着目しましょう。
特に中小企業や個人事業主など、キャッシュフローに余裕がなくすぐにでも資金化したい場合においては、入金スピードの早さが重要になります。
入金スピードを重視するのであれば、契約形態は売掛先の合意が不要な2社間契約にするのが前提です。
その上で、「即日入金」「オンライン完結型」「土日祝の振込」などに対応したファクタリング業者を選びましょう。
まとめ
ここまで、ファクタリングの違法性の有無や契約形態によるメリット&デメリット、失敗しない業者選びのポイントなどについて解説してきました。
ファクタリングは違法ではありませんが、ファクタリング業者の中にはファクタリングと称した無登録の貸金業者(いわゆる闇金)などが存在しています。
ファクタリングは融資や借り入れではなく、売掛債権の買取サービスです。
利息を請求されたり、分割払いや給与ファクタリングなどを勧めてくる場合は、ファクタリングと称した違法な貸金業者の可能性があります。
またファクタリングの利用で失敗しないためには、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の違いに加え、それぞれのメリット&デメリットを理解しておくこと。
そしてファクタリング業者を選ぶ際には、「業者の属性」「手数料」「入金スピード」に注意して選べば、ファクタリングの利用で失敗しにくくなります。