三菱UFJファクターという企業をご存じでしょうか。
この名称から想像できるかと思いますが、三菱UFJファクターは三菱フィナンシャル・グループの企業で、ファクタリングサービスを提供しています。
そこで、この記事では、三菱UFJファクターのファクタリングの口コミ・評判を紹介するとともに、メリット・デメリットについても解説します。
三菱UFJファクターのファクタリングとは
三菱UFJファクターは、三菱UFJ銀行の100%子会社であり、三菱UFJフィナンシャル・グループの企業として知られています。
そんな三菱UFJファクターは、国内最大の銀行系ファクタリング業者でもあります。
三菱UFJファクターの主な業務は、次の3つです。
- ファクタリング
- 代金回収業務
- でんさい一括ファクタリング
このうち、三菱UFJファクターのファクタリングとは、「ファクタリング」と「でんさい一括ファクタリング」の2つになります。
そこで、三菱UFJファクターの「ファクタリング」と「でんさい一括ファクタリング」について、解説します。
三菱UFJファクターのファクタリング
三菱UFJファクターのファクタリングには、次の3つがあります。
- 保証ファクタリング(根保証)
- 下請債権保全支援事業
- 国際ファクタリング
それぞれについて、解説します。
保証ファクタリング(根保証)
三菱UFJファクターのファクタリングの中で、代表的なのが保証ファクタリングです。
保証ファクタリングとは、売掛先の倒産などにより売掛金が回収できなくなった場合に、売掛金の支払いを保証するファクタリングのことです。
三菱UFJファクターの保証ファクタリングの特徴は、売掛債権の保証だけでなく、売掛先の与信管理についてもサポートすることです。
そのため、ファクタリング利用会社の与信管理についてのコンサルティングもしてくれます。
ここでいう「与信管理」とは、取引先の情報を得ることによって、「今後、取引すべきか」「いくらまでなら取引可能か」などを判断することです。
下請債権保全支援事業
下請債権保全支援事業とは、下請建設業者が元請建設業者に対して有する売掛債権をファクタリング業者(三菱UFJファクター)が保全するサービスのことです。
下請債権保全支援事業は、下請建設業者が元請建設業者に対して有する売掛債権の回収が不能になると、下請建設業者の経営悪化により連鎖倒産などのリスクがあるため、国土交通省によって創設された制度です。
下請債権保全支援事業では、下請建設業者がファクタリング業者(三菱UFJファクター)に支払う保証料は、国が助成します。
国際ファクタリング
国際ファクタリングとは、世界各国の金融機関と連携することによって、輸出企業の売掛債権を保証することです。
そのため、輸出企業は安全・確実に売掛債権を回収することができます。
三菱UFJファクターの「でんさい一括ファクタリング」
三菱UFJファクターの「でんさい一括ファクタリング」とは、「でんさい」サービスと「ファクタリング」サービスを組み合わせたものです。
「でんさい」とは「電子記録債権」の略で、手形や売掛債権などの指名債権の問題点を克服し、手形や振込に代わる決済手段として導入されました。
でんさいは、一般社団法人全国銀行協会が設立した株式会社全銀電子債権ネットワーク(通称:でんさいネット)が取り扱っており、全国の銀行や信用金庫などが参加しています。
そのため、手形や振込など支払手段の一本化やペーパーレス化により、事務負担が軽減されるなどのメリットがあります。
「でんさい一括ファクタリング」サービスを利用すれば、迅速にファクタリングサービスを利用することが可能になります。
会社名 | 三菱UFJファクター株式会社 |
---|---|
創業 設立 |
創業:1972年(昭和47年)11月 設立:1977年(昭和52年)6月 |
資本金 | 20億8千万円 |
代表者 | 代表取締役社長 社長執行役員 小川 浩一 |
従業員数 | 580名(2022年3月31日現在) |
業務内容 | ファクタリング業務 代金回収業務 でんさい一括ファクタリング業務 |
株主 | 三菱UFJ銀行(100%) |
三菱UFJファクターにおけるファクタリングのメリット
三菱UFJファクターのファクタリングサービスは、保証ファクタリング(根保証)を中心に展開しています。
そのため、ここからは三菱UFJファクターの保証ファクタリングのメリット・デメリットについて、解説します。
三菱UFJファクターにおける保証ファクタリングのメリットは、次のとおりです。
- 与信管理をサポートしてくれる
- 新規取引先などの取引を拡大できる
- 与信管理のコスト削減ができる
- 売掛債権の未回収リスクを軽減できる
- 売掛債権が保証限度額内で100%保証される
- 保証開始後、取引先1社ごとに追加保証を依頼できる
- 取引先1社ごとに保証限度額の増減が可能
それぞれについて、解説します。
与信管理をサポートしてくれる
三菱UFJファクターの保証ファクタリングには、売掛債権の保証だけでなく、取引先の与信管理をサポートしてくれるというメリットがあります。
そのため、ファクタリング利用会社は、本来自社でやるべき与信管理を三菱UFJファクターに外注化でき、与信管理を強化することができるというメリットもあります。
具体的には、三菱UFJファクターが取引先の信用調査をして、その結果をファクタリング利用会社に情報提供してくれることによって、与信管理をしてくれます。
新規取引先などの取引を拡大できる
三菱UFJファクターの保証ファクタリングの2つ目のメリットとして、新規取引先などの取引を拡大できることが挙げられます。
というのは、売掛債権の支払いが保証されるだけでなく、与信管理も任せることができるため、積極的な営業活動ができるからです。
与信管理のコスト削減ができる
三菱UFJファクターの保証ファクタリングの3つ目のメリットとして、与信管理のコスト削減ができることが挙げられます。
本来、自社でやるべき与信管理を、三菱UFJファクターに任せることができるからです。
実際、与信管理を自社でやる場合の人件費などのコストを考えると、大幅にコストを削減することができます。
売掛債権の未回収リスクを軽減できる
三菱UFJファクターの保証ファクタリングの4つ目のメリットとして、売掛債権の未回収リスクを軽減できることが挙げられます。
というのは、売掛先が倒産した場合、三菱UFJファクターが売掛金の支払いを保証してくれるからです。
このメリットは、三菱UFJファクターに限らず、保証ファクタリングのメリットになります。
売掛債権は保証限度額内で100%保証される
三菱UFJファクターの保証ファクタリングの5つ目のメリットとして、売掛債権は保証限度額内で100%保証されることが挙げられます。
売掛債権の保証限度額は、三菱UFJファクターが審査によって決めます。
例えば、売掛債権が500万円、売掛債権の保証限度額が300万円の場合、売掛債権は保証限度額である300万円まで保証されるということです。
保証開始後、取引先1社ごとに追加保証を依頼できる
三菱UFJファクターの保証ファクタリングでは、売掛債権の保証開始後、取引先1社ごとに追加で保証を依頼することができます。
また、取引がなくなった取引先の見直しもできます。
取引先1社ごとに保証限度額の増減が可能
前項のメリットと似ていますが、取引先ごとに売掛債権の保証限度額を増減できるというメリットがあります。
ただし、保証限度額を増加するには、三菱UFJファクターによる審査が必要になります。
三菱UFJファクターにおけるファクタリングのデメリット
三菱UFJファクターにおける保証ファクタリングのデメリットは、次のとおりです。
- 審査が厳しい
- 保証料が必要
- 小口の売掛債権は保証されない
審査が厳しい
三菱UFJファクターにおける保証ファクタリングのデメリットとして、まず挙げられるのは、審査が厳しいことです。
というのは、融資と同じく銀行系のファクタリング業者の審査は、一般のファクタリング業者よりも厳しいからです。
そのため、売掛先の経営状況が悪く、貸倒リスクが高い場合は、保証ファクタリングを利用できない可能性があります。
保証料が必要
買取ファクタリングを利用する場合は、手数料が必要になりますが、保証ファクタリングを利用する場合には、保証料が必要になります。
そのため、保証料を支払ってまで売掛債権を保証してもらう必要があるかどうかを慎重に検討しなければなりません。
小口の売掛債権は保証されない
三菱UFJファクターは、銀行系ファクタリング業者ということもあり、売掛債権の最低保証額が決められています。
そのため、小口の売掛債権は保証されません。
三菱UFJファクターのファクタリングを利用する場合、依頼する売掛債権がある程度大口で、原則10社以上ある必要があります。
三菱UFJファクターにおけるファクタリングの口コミ・評判は
三菱UFJファクターにおけるファクタリングの口コミ・評判には、どんなものがあるのでしょうか。
ここでは、三菱UFJファクターにおけるファクタリングの口コミ・評判について、良い口コミ・評判と悪い口コミ・評判に分けて、紹介します。
良い口コミ・評判
融通が利くサービス
親会社から債権を圧縮するよう指示されていたのに加え、新規取引先が増えていく中、与信管理を強化する必要がありました。最低買取額など条件をクリアするのが多少大変でしたが、手数料が低水準ということもあり今のところ満足しています。買取を頼みたい売掛先をその都度追加できるため、時と場合に応じた利用ができて便利です。親会社が三菱UJF銀行ですので多額の売掛債権を安心してお任せできます。
引用元:https://fackomi.com/company/mufg-factor/
この口コミのように、与信管理を強化する場合、三菱UFJファクターのファクタリングを利用することが適切かもしれません。
というのは、三菱UFJファクターは、売掛債権の保証だけでなく、与信管理のサポートもしてくれるからです。
ただし、最低買取額があるため、小口の売掛債権のファクタリングを依頼する場合、審査に通らない可能性があるので、要注意です。
三菱UFJファクターは銀行系ファクタリング業者であるため、審査に通って契約をすれば、売掛先を追加できるなど融通の利くサービスを提供してくれます。
全額保証してくれました
新型コロナの影響で販売先の倒産が最近増えており、もちろん保険は掛けていたのですが、販売先の与信に不安を抱えている状況でした。そのような経緯で保証ファクタリングを申し込んだのですが、保険ではカバーしきれない部分に対応できるためリスク管理がやり易くなりました。保証先の数を契約途中で増減できるのも使い勝手が良いです。これで保証先への調査がもう少し優しかったら言うことはないのですが、その辺は仕方ないですね。実際に販売先が倒産した際は債権が全額保証されましたし、保証ファクタリングを導入して正解でした。
引用元:https://fackomi.com/company/mufg-factor/
「保証先の数を契約途中で増減できるのも使い勝手が良い」とありますが、三菱UFJファクターに保証ファクタリングを申し込む際は、原則、10社以上の保証希望先が必要になります。
この点について、中小企業の中には、10社以上の保証希望先に満たないところもあると思いますので、デメリットにもなり得ます。
さらに、三菱UFJファクターのような銀行系ファクタリング業者の取引先に対する審査は厳格です。
だからこそ、安心して与信管理を依頼することができるというメリットがあります。
主要取引銀行だったこともあり、無事契約することができました。
メガバンクだけあって手数料は格安で利用できました。(57歳 自動車販売業)
引用元:https://www.carinavi.org/company/ufjfactor.php
この口コミのように、三菱UFJファクターのような銀行系ファクタリング業者のファクタリング手数料は安いというメリットがあります。
悪い口コミ・評判
対応にやや不満
メガバンクの子会社なので導入するまでが手間です。提出書類は多いですし、銀行系ファクタリング会社であるため信用情報に誤魔化しが効きません。徹底的に調べられます。その割に対応が事務的というか、担当者は一応付くものの電話をかけてもレスポンスが遅く、その点は不満でした。手数料を始めとしてサービスの内容自体は悪くないのですが、細かい所に配慮が行き届いていないのは残念に思います。
引用元:https://fackomi.com/company/mufg-factor/
この口コミからは、三菱UFJファクターの審査がいかに厳しいかが伝わってきます。
やっぱり、三菱UFJファクターのような銀行系ファクタリング業者の審査は厳格なのです。
ただ、担当者の配慮が行き届いていないという意見は、意外です。
どちらかというと、丁寧に接客してくれるというイメージがあるからです。
人それぞれの感じ方によって、接客態度の印象は変わるかもしれません。
初めてのファクタリングだったので有名銀行にと思い足を運びましたが、ほぼ門前払いで審査すらできませんでした。
やはり中規模以上の会社向けな印象です。(46歳 建設業)
引用元:https://www.carinavi.org/company/ufjfactor.php
この口コミも手厳しい。
三菱UFJファクターのような銀行系ファクタリング業者は、提出書類を見た段階で、審査に通るかどうかがある程度わかってしまうのかもしれません。
三菱UFJファクターの保証ファクタリングを申し込むには、最低でも10社以上の希望保証先を提出する必要があるので、中小企業によっては、条件に満たないこともあります。
審査段階でなかなか話が進まず、時間に余裕が無かったため他社を利用しました。
まぁ銀行さんって感じの対応でしたね。(37歳 足場業)
引用元:https://www.carinavi.org/company/ufjfactor.php
こちらも、銀行系のファクタリング業者の対応に不満だったという口コミです。
最短即日で資金調達が必要な場合は、別のファクタリング業者に依頼することをおすすめします。
三菱UFJファクターのファクタリングを利用する際の流れ
三菱UFJファクターの保証ファクタリングを利用する場合、次のような流れになります。
1.申込み
三菱UFJファクターの公式サイトから「保証限度額設定依頼書」をダウンロードして、10社以上の保証希望先を入力の上、申し込みます。
2.審査・結果通知
「保証限度額設定依頼書」などの提出書類をもとに審査した上で、審査結果を通知します。
3.契約締結
審査通過後、保証ファクタリング契約を締結すれば、保証開始となります。
まとめ
この記事では、三菱UFJファクターのファクタリングの口コミ・評判を紹介するとともに、メリット・デメリットについても解説します。
三菱UFJファクターは、三菱UFJ銀行の100%子会社で、ファクタリングサービスを提供しています。
三菱UFJファクターがサービスを提供しているファクタリングは、次のとおりです。
- 保証ファクタリング(根保証)
- 下請債権保全支援事業
- 国際ファクタリング
- でんさい一括ファクタリング
三菱UFJファクターのファクタリングでは、保証ファクタリングを中心にサービスを展開しています。
三菱UFJファクターの保証ファクタリングは、売掛債権の保証だけでなく、取引先の与信管理のサポートもしています。
ただし、三菱UFJファクターは銀行系ファクタリング業者であるため、審査が厳しく、小口の売掛債権は保証されないというデメリットがあります。
審査に通過して、契約を締結することができれば、安心して与信管理を任せることができます。
この記事が、三菱UFJファクターのファクタリングを検討する際の参考になれば幸いです。