ファクタリングは請求書のみで利用できるのか?必要書類と入手先をチェック

ファクタリングは請求書のみで利用できるのか?必要書類と入手先をチェック

ファクタリングを利用したいと考えている方は、多いのではないでしょうか。

そのような方にとって気になることは、ファクタリング業者選びや審査、必要書類などいろいろあるかと思います。

ファクタリングは最短即日で資金調達できるため、近年注目されている方法ですが、利用するためには事前に準備する必要があります。

具体的にはファクタリング業者の公式サイトを見たり、問い合わせたりして、必要書類を用意するなどの準備が必要です。

この記事では、ファクタリングを利用するために必要な書類と入手先を解説するとともに、ファクタリングは請求書のみで利用できるのかについて解説します。

ファクタリングを利用する際の必要書類と入出先とは?


ファクタリングを利用する際には、ファクタリング業者に書類を提出する必要があります。

ファクタリング業者は提出された書類を確認して、ファクタリング申込者がファクタリングを利用できるかどうかを審査するからです。

請求書は、売掛債権の存在を確認するための必要書類になりますが、ここでは請求書を含めた必要書類について解説します。

ファクタリングを利用する際の必要書類をまとめると、次のとおりです。

項目 法人 個人事業主 入手先
身分証明書
商業登記簿謄本 × 法務局
開業届 × 税務署
税金、社会保険料の 納付書等関係書類 税務署・地方自治体(市区町村)など
決算書 ×
確定申告書 × 税務署
通帳のコピー
売掛先との基本契約書
印鑑証明書 地方自治体(市区町村)

ファクタリングを利用する際の必要書類は、ファクタリング業者によって違っているため、決して上の表のすべての書類が必要なわけではありません。

身分証明書(法人・個人事業主)

ファクタリングを利用する際の必要書類としては、身分証明書が挙げられます。

法人も個人事業主も必要となり、法人は代表者の身分証明書が必要になります。

ファクタリング業者はファクタリング利用者と債権譲渡契約を締結しますが、ファクタリング業者としては、身元不明の相手方と契約することはできないからです。

身分証明書としては、運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどが利用可能です。

商業登記簿謄本(法人)

商業登記簿謄本とは、法人の登記簿に記載された内容を書き写したものです。

商業登記簿謄本には、法人の商号や所在地、役員名、資本金、発行した株式数などの基本的な情報が記載されています。

そのため、商業登記簿謄本を見れば、どんな会社なのかを知ることができます。

いわば、法人の身分証明書のようなものです。

商業登記簿謄本は、法務局で入手することができます。

開業届(個人事業主)

開業届とは「個人事業の開業・廃業等届出書」のことで、個人事業を開業する際に提出する書類です。

税務署へ提出し、申告した「開業した日」から個人事業主となります。

開業届は、個人事業主の身分証明書のようなものです。

もし、開業届の提出を求められた場合、持っていれば問題ありませんが、持っていない場合は他のファクタリング業者を探してください。

税金、社会保険料の納付書等関係書類(法人・個人事業主)

ファクタリング業者の中には、商業登記簿謄本や開業届のほかに税金や社会保険料の納付書などの関係書類の提出を求めるところもあります。

というのは、ファクタリング申込者が税金や社会保険料を滞納している場合、申込者の売掛債権が差し押さえられるリスクがあるからです。

そのような事態になったら、売掛金を回収できなくなるおそれがあることから、ファクタリング業者が提出を求めることがあるのです。

決算書(法人)

決算書とは、会社の財務状況や業績を報告するためにまとめられた書類です。

確定申告の際に必要になるほか、会社の財務状況を説明する場合にも利用されます。

ファクタリング業者は、売掛金の未回収リスクを避けるため、ファクタリング申込者の財務状況や業績を確認するのです。

通帳のコピー(法人・個人事業主)

通帳のコピーもファクタリング業者に求められる必要な書類です。

というのは、通帳から売掛先との取引履歴を確認することで、支払いの遅れや未払いがないかの有無、売掛債権の存在などをチェックできるからです。

また、ファクタリング申込者の財務状況などの確認にも利用されます。

一般的に3~6か月程度の通帳のコピーを提出することを求められます。

売掛先との基本契約書(法人・個人事業主)

基本契約書とは、取引先と継続的な取引を行う場合に、あらかじめ基本事項を取り決めておく契約のことです。

売掛先との基本契約書を求められるのは、この基本契約書を見れば、売掛債権の存在を確認できるからです。

さらに、売掛金の入金条件や支払期日、債権譲渡禁止条約の有無なども確認できます。

印鑑証明書(法人・個人事業主)

印鑑証明書とは、印鑑が実印(市役所などに登録した印鑑のこと)であることを証明する書類のことです。

ファクタリングでは債権譲渡契約を締結する必要があります。

その際、署名捺印をしますが、その印鑑が実印であることを確認するため、印鑑証明書が必要になります。

なお、印鑑証明書を発行するには、地元自治体(市区町村)に印鑑を登録しておく必要があります。

その他に必要な資料(法人・個人事業主)

上記以外に、ファクタリング業者から売掛債権の存在を確認できる資料を求められることがあります。

発注書や見積書、納品書、請求書などがそれに当たり、これらの資料は売掛債権成因資料と言い、売掛債権の価格を決める際の資料のことを言います。

これらの資料により、ファクタリング業者は、売掛債権の内容や入金日などを確認します。

ファクタリングの流れにおける必要書類


ファクタリングの流れの中で、最も重要なのが必要書類です。

というのは、ファクタリング審査において最も重要だからです。

ファクタリングの流れ

ファクタリングを利用する際の流れは、次のとおりです。

  1. ファクタリング業者に問い合わせる
  2. ファクタリング審査における必要書類を確認
  3. ファクタリングを申し込み、必要書類を提出
  4. ファクタリング審査
  5. ファクタリング審査結果を申込者に通知
  6. 債権譲渡契約書を作成し契約を締結
  7. 売掛債権の買取金額をファクタリング利用者の口座へ入金

ファクタリング業者によって必要書類は違う

ファクタリングを利用する際の流れの中で、ファクタリング業者に必要書類を提出するタイミングは上記の③と⑥の2回です。

初回③の必要書類を提出した後、追加で書類を求められることもありますので、その場合は書類を提出するタイミングは3回以上ということになります。

ファクタリング業者によって、必要書類は違っており、多いところから少ないところまでさまざまです。

必要書類が多いよりも少ないほうが、ファクタリング申込者のハードルは低いです。

公式サイトに必要書類を掲載しているファクタリング業者が多いので、事前に確認することをおすすめします。

ファクタリング業者選びは初回が重要

ファクタリング業者選びは、初回が重要です。

というのは、2回目以降の必要書類などの手続きは簡略化されるからです。

2回目以降の手続きが簡略化されるのは、初回の審査でファクタリング利用者のことについては把握しているからです。

必要書類が少ない場合の注意点


ファクタリング審査の際、必要書類が多いよりも少ないほうがファクタリング申込者のハードルは低いと解説しましたが、必要書類が少ない場合にも注意が必要です。

必要書類が少ない場合、それだけファクタリング審査における情報が少ないことから、十分な審査が行われていない可能性があるからです。

そのようなファクタリング業者の中には、手数料を高めに設定している業者があります。

つまり、ファクタリング審査が甘い分、手数料を高くしているというファクタリング業者がいるということです。

ファクタリング業者の中には、悪徳業者もいることから、必要書類が少ない場合には注意が必要です。

ファクタリングは請求書のみで利用できる?


ファクタリングは、請求書のみでは利用できない可能性が高いです。

というのは、ファクタリング業者が審査するための必要書類が請求書のみでは、正確な審査ができないからです。

正確な審査ができないまま、審査を通過させた場合、損失を被るのはファクタリング業者になります。

ファクタリング業者としては、損失を被るリスクを冒してまでファクタリング契約を結びたくないですから、請求書のみではファクタリングを利用できない可能性が高いというわけです。

ファクタリング業者が、請求書以外に必要書類の提出を求めてくるのは、正確な審査をするためですから、信用できる業者であると言えます。

一方、ファクタリングの申込者としては必要書類が多いより少ないほうが負担が少ないため、どうしても必要書類が少ないファクタリング業者を選びがちです。

しかし、必要書類が少ないファクタリング業者は審査が甘い一方で手数料が高い場合があるので、要注意です。

その業者は、悪徳業者の可能性もあるからです。

まとめ

この記事では、ファクタリングの必要書類と入手先を解説するとともに、ファクタリングは請求書のみで利用できるのかについて解説しました。

ファクタリングは請求書のみでは、利用できない可能性が高いです。

請求書だけでは、ファクタリング業者が十分な審査ができないからです。

さらに十分な審査ができないまま、審査を通過させた場合、売掛金の未回収により損失を被るリスクを負うのは、ファクタリング業者となります。

必要書類が多いよりも少ないほうが、ファクタリング申込者の負担は小さいですが、審査が甘い一方、手数料が高い場合は悪徳業者であることがありますので、要注意です。

この記事がファクタリングを利用する際の参考になれば幸いです。