ファクタリングがやばいと言われる理由|実態を理解して賢く活用しよう

ファクタリングは、売掛債権を活用した正当な資金調達方法で、もちろん違法ではありません。経済産業省もファクタリングの普及を後押しする法令改正をおこなっています。

しかし、ファクタリングが「やばい」と考えて、利用を躊躇している方は少なくありません。利用経験がないために、漠然とした不安がある方のほか、過去の悪徳業者によるトラブル、摘発事例を理由に不安を感じている方もいます。

この記事ではファクタリングの仕組みや適法性、安全に利用するうえでの注意点などを紹介します。

ファクタリングとは?


ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡して現金化する手法です。それ自体は民法に則った適法性があるうえ、経済産業省による法改正を契機に普及した取引で、もちろん「やばい」ものではありません。

まずは、ファクタリングについて正しく理解しておきましょう。

ファクタリングは売掛債権を現金化する取引

ファクタリングを活用すると、手元にある売掛債権を早期に現金化できます。売掛債権とは、すでに提供済みの商品やサービスの対価を受け取る権利のことで、一般に請求書が売掛債権の存在を証明する役割を果たします。

売掛債権は、そのままでは最長で入金期限まで現金化されません。一方で、ファクタリングで債権を譲渡すれば、売掛債権の額面から手数料を差し引いた金額を、早期に現金で受け取れます。

支払いがせまっているなど、迅速に資金繰りを解決したい中小企業や個人事業主にとって、便利な資金調達手法の一つです。

2つのファクタリング取引

ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの二種類があります。

2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の2社の契約でおこなわれる取引です。

利用者からファクタリング会社に債権を譲渡したのち、取引先から代金の支払いを受けたら、速やかにファクタリング会社に支払います。ファクタリング利用の事実が取引先に知られないものの、手数料が高い傾向にあるのが特徴です。

3社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社、取引先の間で契約を結びます。ファクタリング会社は、取引先から直接資金回収が可能です。取引先にファクタリング利用の承認を得る必要があるものの、手数料は相対的に安い傾向にあります。

ファクタリング自体は適法な取引

ファクタリング自体は民法466条に法的根拠がある正当な取引です。

“第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。”
引用:民法

売掛債権には「譲り渡すことができない性質」は特にありません。また、金銭との引き換えで売掛債権を譲渡することにも特に問題はないため、ファクタリングは正当な取引といえます。

経済産業省はファクタリングの普及につながる法改正を実施

ファクタリングは、2001年の売掛債権担保融資保証制度が創設されてから実行できるようになりましたが、当時は売掛債権の譲渡を制限する「譲渡制限特約」が付いた債権が多かったため、普及しませんでした。

債権を活用した資金調達を普及させるために、経済産業省は2020年に債権法を改正し、譲渡制限特約があっても譲渡が可能なルールとしました。この法改正により、ファクタリングに活用できる債権が増えたため、ファクタリングの利用が大きく普及したのです。

ファクタリングがやばいといわれる理由


本来は正当な取引であるファクタリングがやばいと言われる理由はいくつか存在します。

  • 手数料の相場がわからない
  • 償還請求権がある取引を利用してしまった
  • 貸金業登録なしでできる取引とできない取引がある
  • 悪徳業者のトラブルがあった

ファクタリングを正しく活用するうえで、その理由を理解しておくことは重要です。

手数料の相場がわからない

ファクタリングの手数料の相場がわからないがゆえに、適正な取引かどうかを判断できず、漠然と危ない取引であると誤解している人が少なからずいます。

ファクタリングは、ファクタリング会社が資金回収リスクを負うことになるため、手数料が発生すること自体は自然ですし、その水準は、例えば融資を受けるときの金利などと比較すると高めに感じる場合もあります。

ファクタリングの手数料は、利用するファクタリング会社の他、売掛債権の金額や取引先の信用力などによっても変わってきます。一つの目安としては、次の通りです。

  • 2社間ファクタリングの手数料相場:~20%
  • 3社間ファクタリングの手数料相場:~10%

特に2社間では10%以上の手数料がかかることもあるため、一般的な水準を知らないと「高い」と感じる人もいるでしょう。

償還請求権なしのファクタリングの場合、取引先が債務を返済できなくなった時には、ファクタリング会社が損失を負うことになります。ファクタリング会社が負うリスクの対価と考えれば、上記の手数料の水準は適正といえます。

償還請求権がある取引を利用してしまった

償還請求権ありの取引を利用すると、取引先の貸倒れが発生して、資金返還を求められるケースも考えられます。

多くのファクタリング会社では「償還請求権なし」のファクタリングサービスを提供しています。ファクタリングにおける償還請求権とは、取引先の倒産などによって債務返済が滞った時に、ファクタリング会社が利用者に資金の変換を求める権利のことです。

償還請求権なしの取引なら、取引先にもしものことがあっても資金の返還を求められないため安心です。

償還請求権ありの取引は貸金業にあたることから、貸金業登録がある企業でなければ実行できません。ただ、銀行やノンバンクなどの金融機関であれば実行できるため、手数料が低い代わりに償還請求権ありのファクタリングを提供する先もあります。

資金調達と同時に取引先からの資金回収リスクをなくしたい場合には、償還請求権のない取引を利用しなければなりません。

貸金業登録なしでできる取引、できない取引がある

ファクタリングは、原則として貸金業登録なしで実行できますが、そのためには、例えば次のような条件があります。

  • 償還請求権がない
  • 金利や返済を求めない
  • 代金が分割払いではない
  • 担保や保証人は不要
  • 給与ファクタリングではない

給与ファクタリングとは、会社員などが受け取る給与を裏付けとしたファクタリングのことです。給与は売掛債権とは性質が異なることから、金融庁より「貸金業の疑いが強い」との見解が出ています。(参考:金融庁「給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!

以上の条件の一つでも当てはまらなければ貸金業登録が必要な取引となります。ファクタリング会社のほとんどは適法な優良企業ですが、なかには本来貸金業が必要な取引を、貸金業登録なしでもちかける違法業者も存在するので、注意しましょう。

悪徳業者のトラブルがあった

ファクタリングにおいては過去に複数の違法事例があり、実際に摘発に至った案件も少なくありません。摘発事例の中には全国的に報道されたものもあります。こうした摘発事例を知っているからこそ、ファクタリングに不信感を抱いている人もいるでしょう。

例えば、一般社団法人「ハートフルライフ協会」ではファクタリングと称して資金を貸しつけ、高額な金利を設定したうえで、期限までに資金の返済がないと督促などを行いました。事実上のヤミ金に近いとの判断から、摘発に至ったのです。(参考:朝日新聞「中小企業狙い「ヤミ金」容疑 ファクタリング業者を逮捕」)

あくまで一部の違法業者が問題を起こしているにすぎず、ファクタリング会社のほとんどは安全な取引ができる企業です。ただし、ファクタリングを利用する上では、信頼のおける会社を選んで利用することが大切です。

安全なファクタリング会社の見分け方


ファクタリングを「やばい取引」であると決めつけることなく、安全に利用するためには、信頼できるファクタリング会社を選び、利用することが大切です。最後に信頼のおけるファクタリング会社の特徴について紹介します。

本社住所が実在し連絡先に不安がない会社を選ぶ

ファクタリングを営むのは、ほとんどは一般企業なため、日本のどこかに本社所在地があります。また、安全な企業は信頼性を高めるために、代表電話は固定回線で、利用者の問い合わせにはフリーダイアルなどが設定されるケースが多いでしょう。

これらの条件を満たしていることがまず最低限です。住所が実在しない、連絡先がスマホやバーチャルオフィスとなっている会社などは避けた方が無難といえます。

償還請求権のない会社を選ぶ

償還請求権がないサービスを提供する優良ファクタリング会社の多くはWebサイト上にその旨が記載されています。中小企業や個人事業主が短期的な資金調達を目的として利用するなら、基本的には償還請求権なしの取引を利用するのが無難です。

なお、償還請求権のあるファクタリングは、貸金業登録や銀行業免許がある金融機関ならサービスを提供できます。償還請求権ありのファクタリングが全て違法というわけではない点にもあわせて注意しましょう。

手数料が適正でかつわかりやすい会社を選ぶ

手数料率が相場並みで適正なファクタリング会社を利用しましょう。高すぎるファクタリング会社は、資金調達コストを抑える意味でも避けたいところです。

一方で、手数料が極端に安かったり、無料だったりするファクタリングも、あとで利息や返済などを要求されるリスクがあるので避けましょう。

ファクタリング会社によっては、Web上に手数料率が明記されていたり、おおよその手数料を事前にシミュレーションできたりする場合もあります。手数料の情報を事前に調べたうえで、利用するファクタリング会社を選んでください。

契約締結に不審点がない会社を選ぶ

ファクタリング契約時の契約書をよく読み、償還請求権がない、利息徴収や返済義務がないなど、契約として正当であることを確認してください。

また、通常は契約締結後には契約書の控えをもらいます。しかし、契約に不審な点があると、あとで訴訟問題になったときの証跡にならないように、契約書の控えを渡そうとしない場合があります。このようなファクタリング会社は利用を避けましょう。

実績があり信頼できる会社を選ぶ

大手のファクタリング会社では、これまでの現金化実績や、取引数などを公表しています。過去の現金化実績が豊富なファクタリング会社の方が信頼できるでしょう。また、利用者の声や口コミサイトなどをみて、高評価を獲得している会社を選ぶのも一案です。

PMGなら実績充分で安心して利用できる


優良なファクタリング会社は多数あります。ファクタリング会社選びに悩んだら、PMGを利用するのがおすすめです。同社は金融総合サービスの一環でファクタリングサービスを提供しています。中小企業だけでなく、個人事業主のファクタリングも受け付けていて、買取金額が数億円の大口の売掛債権によるファクタリングにも対応しているのが特徴です。

また、ファクタリングだけでなく、長期的な財務や経営に関するコンサルティングサービスも行っているため、短期の資金繰りだけでなく長期的な成長戦略を描く上でも役立ちます。

優良なファクタリング会社がわからず不安という方は、ぜひPMGに相談してみてください。