ファクタリングと消費税の関係について徹底解説!

ファクタリングは、売掛金を使って最短即日資金調達できる方法です。銀行融資やカードローンの場合、自社の信用力が非常に重要になりますが、ファクタリングは売掛先の信用力が高ければ利用できます。

自社の信用力に自信がない方にとって即日資金調達できるのは非常にありがたいのではないでしょうか。ファクタリングは、現在非常に人気がありますが、ファクタリングを検討しようと思っている方の中には、「消費税」が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回はファクタリングと消費税の関係について説明をします。わかりやすく説明をしますのでぜひ参考にしてください。

結論!ファクタリングに消費税はかからない!


結論からお話しするとファクタリングには消費税はかかりません。
ファクタリングに手数料がかからないことは、国税庁のホームページにしっかり記載されています。

金銭債権の買取り等に対する課税関係

【照会要旨】
 売掛金、貸付金等の金銭債権に関する次の取引は、どのように取り扱われるのでしょうか。
(1) 相手方から金銭債権を譲り受け、債務者から回収できなかった場合には、当該相手方から譲受対価の返還を求めることとしているときの割引料又は手数料と称する金銭
 なお、譲受対価は、現金又は手形で支払います。
(2) 相手方から金銭債権を譲り受け、債務者から回収できるかどうかにかかわらず、金銭債権額から割引料、保証料又は手数料を控除して現金又は手形で支払います。

【回答要旨】
 (1)では、譲り受けた金銭債権について債務者から回収できなかった場合には、債権者から譲受対価の返還を求めることとされていますから、割引料又は手数料等は金銭債権の取立てという役務の提供の対価の側面も有しますが、契約上金銭債権の譲受けであれば金銭債権の譲受対価(令103八)として非課税となります。
 (2)においては、金銭債権の譲り受けの際に債権者から徴収する割引料、保証料又は手数料は、その名目の如何にかかわらず、金銭債権の譲受対価として非課税となります。
引用:国税庁

このように、国税庁のホームページを見るとファクタリングに関しては手数料がかからない旨が明記されています。

ファクタリングに手数料がかかってしまうと、10%分、手元に残る資金が減ってしまうため、当初期待していた金額の調達が難しくなってしまうでしょう。しかし、ファクタリングには手数料がかからないので安心して利用できるはずです。

悪質な業者の場合、「ファクタリングには手数料がかかる」といってくる場合があるようなので注意してください。

もしファクタリングに消費税がかかるといってくるような業者であれば、契約するのは絶対にやめましょう。消費税以外にもおかしな点がたくさん出てくるはずです。巻き込まれる前に撤退するようにしましょう。

売掛金自体には消費税がかかる!


ファクタリングは消費税がかかりませんが、売掛金自体には消費税がかかるので注意してください。

経営者の方などで、売掛金の取り扱いを行ったことがある人であればお分かりいただけるかと思いますが、売掛金とは、支払いを受ける権利のことです。単純に支払いを後に伸ばすだけなので、一般的な買い物と変わりません。

コンビニやスーパーで買い物をしたら皆さん消費税を払いますよね?売掛金も全く一緒です。売掛金自体には消費税がかかるので注意してください。

また、ファクタリングには消費税はかかりませんが、譲渡された売掛金をファクタリング会社が再度ファクタリングを行った場合は消費税がかかるようです。しかし、再ファクタリングを行うことは一般企業ではまずないかと思いますので、あくまで参考にしてください。

ファクタリングに消費税がかからない理由


ファクタリングに消費税がかからない理由は、ファクタリングは国税庁が定める非課税取引に該当するからです。

  1. 国税庁が定める非課税取引は以下の通りになります。
  2. 土地の譲渡および貸付け
  3. 有価証券等の譲渡
  4. 支払手段(注)の譲渡
  5. 預貯金の利子および保険料を対価とする役務の提供等
  6. 日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡および地方公共団体などが行う証紙の譲渡
  7. 商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
  8. 国等が行う一定の事務に係る役務の提供
  9. 外国為替業務に係る役務の提供
  10. 社会保険医療の給付等
  11. 介護保険サービスの提供等
  12. 社会福祉事業等によるサービスの提供等
  13. 助産
  14. 火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
  15. 一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け等
  16. 学校教育
  17. 教科用図書の譲渡
  18. 住宅の貸付け

ファクタリングはこの17の項目の中の2番の有価証券等の譲渡に該当します。株式や債券などの有価証券を譲渡しても消費税がかからないということです。

ファクタリングで利用する売掛金は有価証券等に該当するため消費税がかからないのです。また、ファクタリングを利用する際の手数料にも消費税はかかりません。国税庁では非課税となる取引を20項目ほど具体的に挙げています。

  1. 預貯金や貸付金の利子
  2. 国債、地方債、社債、新株予約権付社債、投資法人債券の利子
  3. 国際通貨基金協定に規定する特別引出権の利子
  4. 信用の保証料
  5. 合同運用信託、公社債投資信託または公社債等運用投資信託の信託報酬
  6. 保険料
  7. 保険料に類する共済掛金
  8. 集団投資信託、法人課税信託または退職年金信託もしくは特定公益信託の収益の分配金
  9. 相互掛金または定期積金の給付補填金
  10. 無尽契約の掛金差益
  11. 抵当証券の利息
  12. 割引債の償還差益
  13. 手形の割引料
  14. 金銭債権の買取または立替払に係る差益
  15. 有価証券の賃貸料
  16. 物上保証料
  17. 割賦販売法に基づく割賦販売、ローン提携販売、包括信用購入あっせんまたは個別信用購入あっせんの手数料
  18. 割賦販売などに準ずる方法により資産の譲渡等を行う場合の利子または保証料相当額
  19. 動産または不動産の貸付けを行う信託で、貸付期間の終了時に未償却残額で譲渡する旨の特約が付されたものの利子または保険料相当額で契約において明らかに区分されている部分の金額
  20. ファイナンス・リースのリース料のうち、利子または保険料相当額

ファクタリングの手数料が非課税になる根拠は13番の手形の割引料です。

手形割引はファクタリングに非常に似ている仕組みで、手形の満期を迎える前に手形の割引を行う業者が手数料を差し引いて満期前に現金を渡す取引です。
この手形の割引にかかる手数料は非課税なのでファクタリングの手数料も非課税になるというのが一般的な見解になります。

債権譲渡登記を行う場合、消費税がかかる場合もある


ファクタリング業者によっては債権譲渡登記を求める業者があります。

債権譲渡登記は、売掛金の保有者を明確にするために行うものです。

債権譲渡登記を行うことによって、ファクタリング業者は何かあったときに売掛金の所有権を主張できるため、資金を回収できないリスクを少なくすることができます。

この債権譲渡登記ですが、登記費用自体に消費税はかかりません。ちなみにファクタリングの時は大体一万円前後で行うことができます。

しかし、登記は司法書士に依頼することが一般的です。司法書士に支払う手数料に関しては消費税がかかるので注意してください。

消費税を求めるファクタリング会社は違法!怪しいファクタリング会社の見分け方!

ファクタリングには消費税はかかりません。

しかし、残念ながら悪質なファクタリング業者の場合、ファクタリングに消費税を求めてくる可能性があります。また、怪しい業者は消費税を求めてくるだけではなく様々な違法行為をしてくる可能性があるので注意が必要です。

そこで、この章では、怪しいファクタリング会社の見分け方について説明をします。怪しいファクタリング会社を見極めるためのポイントは3つです。

  1. ホームページに記載されている手数料が安すぎる
  2. 何かと手数料に費用を上乗せしてくる
  3. 保証人や担保が必要だといわれる

怪しいファクタリング会社に引っかからないためにしっかり理解しておきましょう。

ホームページに記載されている手数料が安すぎる

ファクタリングの手数料は売掛先の信用力によるところが大きいです。

もちろん、ある程度の相場はありますが、手数料は個別に判断されると思っていた方が良いでしょう。

しかし、ファクタリング業者の中には明らかに安過ぎる手数料を目安として提示している業者があります
一般的に、2社間ファクタリングを1%から5%程度でできる業者はほとんどないはずです。明らかに相場と逸脱した手数料を載せている業者は悪質な業者である可能性が高いですので、注意しましょう。

何かと手数料に費用を上乗せしてくる

ファクタリングには、先程から何度も説明している通り消費税はかかりません。
しかし、悪質な業者だと消費税など様々な費用がかかると言ってきて手数料に上乗せする傾向にあります。

もちろん、債権譲渡登記の後実際にかかる費用はありますが、その他の手数料はファクタリングの手数料の中にあらかじめ含まれているケースが多いです。
何かと費用を乗せてくる業者は怪しい業者の可能性が高いですので、基本的に契約するのはやめといたほうが良いでしょう。

保証人や担保が必要だといわれる

ファクタリングの利用したことがない方の中には、ファクタリングの利用には保証人が担保が必要だと思われている方もいるかもしれません。特に銀行融資に慣れている経営者の方の場合、この傾向にあります。

しかし、ファクタリングでは絶対に保証人や担保が求められることはありません。保証人や担保を求められた時点でかなりあやしい業者になりますので、絶対に契約するのはやめましょう。

このように、消費税を求めてくるだけではなく、怪しいファクタリング会社は様々な理由をつけて手数料に費用を載せてくる傾向にあります。このような業者は、契約した後も契約の書き換え等悪質な行動に出る可能性が高いですので絶対に契約するのはやめてください。ファクタリング業者を選ぶ際はまずはインターネットでしっかりスクリーニングするようにしましょう。

まとめ

今回は、ファクタリングと消費税の関係について説明をしました。ファクタリングに消費税は基本的にかかりません。

かかるとすれば債権譲渡登記を行う際に司法書士に依頼する時だけのはずです。ファクタリング自体に消費税がかかることは絶対にありませんのでしっかり覚えておきましょう。今回の記事を参考にしていただきファクタリングと消費税の関係についてしっかりご理解いただければ幸いです。