売掛債権を譲渡することで、借金を増やすことなく資金調達できるファクタリング。今では多数の会社がサービスを提供しているので、どこを利用すればよいか迷ってしまう人も少なくないでしょう。
そこで今回は、ファクタリング会社の選び方のポイントとともに、法人・個人それぞれにおすすめのファクタリング会社を紹介していきます。
ファクタリング会社の選び方のポイント
自分に最も適したファクタリング会社は人それぞれです。次のようなポイントを基準にファクタリング会社を探せば、スムーズに自分に合った会社を見つけられるでしょう。
自分に合ったファクタリング取引を扱っている
ファクタリングには大きく分けて2社間・3社間の2種類があり、両方の取引を強みとしている会社もあれば、片方の取引に特化している会社もあります。
2社間ファクタリングは利用者とファクタリング会社のみで手続きが進められるため、売掛債権の債務者にあたる取引先にはファクタリング利用の事実が伝わりません。迅速に現金化ができる一方で、手数料が高くなる傾向があります。
3社間ファクタリングは取引先の承認を得て進められるため、取引先にもファクタリング利用の事実が伝わるため、信頼のおける相手ではない場合、経営状況に疑念を持たれるリスクも。また、手数料は低い傾向にある一方で、現金化に時間がかかる場合もあります。
どちらのタイプでファクタリングをしたいか明確な場合は、そのサービスを受け付けているファクタリング会社を選ぶ必要があるのです。
手数料が低い
ファクタリングでは売掛債権の額面から手数料が差し引かれ、残りの部分を現金として受け取れます。そのため、手数料が低い方が一つの売掛債権でより多くの資金調達が可能です。
ファクタリングの手数料相場は2社間と3社間で大きく異なり、概ね次のような水準に。
- 2社間:〜20%
- 3社間:〜10%
低いケースでは2社間でも1桁、3社間に至っては1〜2%の手数料を出す会社もあるので、低い手数料の会社を見つけ出すのが重要です。
入金速度
現金化までにかかるスピードは早いに越したことはないでしょう。ファクタリングは資金調達を急いでいるときに利用するケースが多いため、1日も早く現金化したいもの。現代では2社間を中心に最短で即日の現金化を受け付けている会社も少なくありません。
できるだけ早く資金調達したい人にとっては、入金速度も重要な評価軸となります。
オンライン完結・手続きの簡単さ
審査自体が早くても、手続きが面倒だと、自分の準備に時間がかかるため注意が必要です。例えば、オンラインで手続きが全て完結するファクタリング会社であれば、オフィスから出ずに現金化が実行されるため、忙しい時にも便利でしょう。
また、ファクタリング会社によって必要書類が異なります。預金通帳や本人確認書類など、できるだけ必要書類が少なく、かつすぐに準備できるものである方が便利です。
ファクタリングの限度額
ファクタリング会社では、一度に資金調達できる金額に限度額を設けている場合もあります。上限があるのはもちろんですが、小口のファクタリングは事務負担の観点で効率が悪いとの考え方から、少額のファクタリングを受け付けていない会社も少なくありません。
またファクタリング会社によって得意としている資金調達の規模が異なり、法人向けの大口取引を重視しているところや、個人の小口のファクタリングに特化している会社などがあります。
自分の属性やファクタリングに活用しようと考えている売掛債権の額面を踏まえて、限度額に収まっているファクタリング会社を利用しましょう。
実績や評価
確かな実績のあるファクタリング会社であれば、これまで実際に多くの法人・個人が資金調達に利用していることを意味することから安心です。大手ではこれまでのファクタリング実績を金額・件数で掲載している場合も多いので、参考にしましょう。
また、利用者の評価も参考になります。こちらも各社のWebサイトで「利用者の声」などの形で掲載しています。そのほか、口コミサイトなどではより公平な意見を確認することができるので、こちらも踏まえて信頼のおけるファクタリング会社を見つけるのがよいでしょう。
法人におすすめのファクタリングランキングTOP5
ファクタリング会社の選び方を見ても、自分にとって最適な会社がわからないという人も少なくないでしょう。そこでここからはおすすめのファクタリング会社を紹介します。まずは法人向けにおすすめのファクタリング会社5選です。
第1位:PMG
- 2社間・3社間双方で迅速対応
- 50万円〜2億円まで対応可能
- 必要書類が少なく、現金化までスピーディ
- 総合的な成長戦略のコンサルティングも可能
PMGファクタリングは2社間ファクタリング、3社間ファクタリングの双方に対応しています。迅速対応が強みで、2社間なら即日、3社間でも最短2日以内に現金化できます。平均でも3日以内となっており、現金化を急ぐ人には特におすすめです。
同社では50万円〜2億円までの売掛債権の資金化に対応。億単位の額面のファクタリングが可能なため、法人に特に適したファクタリング会社といえるでしょう。また、必要書類が次の通り少ないのも特徴です。
PMGのファクタリング手続きに必要な書類
- PMGの申込書
- 通帳
- 取引を証明する書類の写し(請求書・注文書など)
最後に同社では「総合成長支援事業」や「M&A支援活動」もおこなっているため、目先の資金調達に加えて長期的な成長戦略やM&Aのコンサルティングを受けることも可能。今後の経営の方向性に悩んでいる法人にもおすすめのファクタリング会社です。
第2位:資金調達ペイ
- スマホで撮影するだけで手続きを進められる
- 最短即日の迅速対応
- 手数料は1〜10%とリーズナブル
- 買取金額の上限・下限なし
資金調達ペイは、請求書をスマホで撮って送るだけで仮審査を進められる法人向けのファクタリング会社です。仮審査を踏まえて本審査に向けた書類の準備ができます。2社間ファクタリング・3社間ファクタリングの双方に対応しており、特に2社間では最短で即日での資金化が可能です。
また、手数料率は1〜10%と、2社間も扱っていながら一桁台となっております。費用の抑制と即日現金化を両立したい法人におすすめです。審査通過率が98%と高いため、ほとんどのケースでスムーズに資金調達ができます。また、買取額には上限・下限ともありません。大きな額面の売掛債権を扱う法人にもおすすめの企業です。
第3位:日本中小企業金融サポート機構
- 非営利の一般社団法人なので安心
- 審査30分・最短即日の迅速対応
- 手数料は1.5〜10%とリーズナブル
- さまざまなコンサルティングも手がける
日本中小企業金融サポート機構は、非営利の一般社団法人で、かつ「経営革新等支援機関」として政府の認証も受けている団体です。安心して利用できるのはもちろん、同機構を利用すると補助金申請や信用保証協会の保証料の減額など複数のメリットがあります。
必要書類が揃っていれば、審査は最短30分で完了。入金は最短即日なので、資金調達を急ぐ法人に適しています。なお、2社間・3社間双方のファクタリングに対応しています。非営利とあって、手数料が1.5〜10%と2社間を手がけている団体としてはファクタリング手数料が低いのも魅力です。
また、同団体は「中長期的な資金調達」「事業再生」「M&A」などさまざまな経営課題に対するコンサルティングも行なっています。目先の資金調達以外にも課題がある法人は、合わせて相談してみるのがよいでしょう。
第4位:GMO BtoB早払い
- 請求書に加えて注文書でのファクタリングを受け付け
- 100万円〜1億円までの現金化に対応
- 手数料は請求書での買取なら1.0〜10%とリーズナブル
- 運営企業が東証プライム上場企業で信頼できる
GMO BtoB早払いは主に法人向けにファクタリングサービスを提供しています。一般的なファクタリングで活用される請求書に加えて、注文書からのファクタリングにも対応しているため、受注から納品まで時間がかかるビジネスでもスピーディな現金化が実現します。
100万円〜1億円までの現金化に対応しているため、まとまった資金が必要となった法人におすすめ。手数料は請求書買取で1〜10%とリーズナブル。注文書買取でも手数料の上限は12%となっています。また、運営会社は東証プライム上場企業もGMOインターネットの子会社です。東証の上場審査を通過した大手企業であるため、安心して取引を行えるでしょう。
第5位:トップ・マネジメント
- 最大3億円の多額調達が可能
- 注文書ファクタリングほか多様な資金調達メニュー
- 55,000件以上の豊富な買取実績
- 手続はオンラインで完結
トップ・マネジメントは取引可能額が最高3億円となっており、法人向けのファクタリング会社の中でも大きな金額のファクタリングに対応しているのが特徴です。また、単純な請求書の買取に加えて、さまざまなファクタリングメニューを提供しています。
例えば、見積書・受注書・発注書ファクタリングや、資金授受の口座を第三者に管理してもらうことで手数料を引き下げられる「電ふぁく」や、助成金のファクタリングを一括で検討して、最も効率的な資金調達方法を実行できる「ゼロファク」などがあります。
これまでの累計買取額は100億円で、55,000件を超える買取実績があるため、信頼のおけるファクタリング会社です。また、手続は全てオンラインで済ませられるため、本業が忙しく、手続きに手間をかけたくない人にも適しています。
個人におすすめのファクタリングランキングTOP5
個人は売掛債権の額面の大きさなどが異なるため、適したファクタリング会社は法人とは同一ではありません。続いては、個人事業主、フリーランスなど個人におすすめのファクタリング会社を紹介します。
第1位:ビートレーディング
- 調達可能金額は無制限
- 必要書類が通帳と請求書のみと少ない
- 最短5時間で資金調達が可能
- 累計取扱金額は900億円と実績豊富
ビートレーディングは上限・下限とも資金調達可能額に制限を設けていないため、個人事業主などの少額の売掛債権にも対応してくれます。手数料は最低2%で、債権の評価が高ければ一桁の手数料でファクタリング実行が可能です。
必要書類が通帳と請求書のみと少ないのが特徴で、準備が用意。また、最短5時間で審査・入金まで完結するので、資金調達を急ぐ人に適しています。審査通過率が98%と高く、失敗のリスクが低いのも魅力です。また、手続はオンラインで完結するので、家にいながらにして入金までを完了させられます。
取扱件数は3.7万件で、累計金額も900億円と実績は豊富。月間でも800件以上の成約案件を常に抱えています。また専任のオペレーターが相談に乗ってくれ、対応も丁寧であると利用者から高い評価を受けています。
第2位:OLTA
- オンライン完結で手間ない手続
- 手数料は2〜9%と上限でも一桁に
- 即日での現金化が可能
- 累計申込金額は1,000億円と実績豊富
OLTAは手続を書類のアップロードも含めてすべてオンラインで完結できるファクタリングです。オフィスに訪問したり対面での面談をする必要がないため手間がかかりません。また、審査はAIを導入し、迅速かつ公平に行ってくれます。さらに、効率的なビジネスフローによりコストダウンを実現に、2社間ファクタリングでありながら、手数料上限は9%なので、審査さえ通過すれば手数料は必ず一桁が実現します。
また、迅速な審査フローなどにより入金までもスピーディ。最短で即日の現金化が可能です。これまでの累計申込額は1,000億円を超えていて、利用事業者は10,000に達しているなど、実績豊富で信頼できるファクタリング会社です。
第3位:アクセルファクター
- 買取額の下限がない
- 手数料は2〜15%も継続利用で手数料が下がる
- 即日対応の実績多数
- 外部機関でも高い評価を獲得
アクセルファクターは買取金額について下限を設けていません。その分手数料はやや割高になる可能性があるものの、10万円など少額の現金化も可能なため、請求書の金額が小さくなりがちな個人事業主には適したサービスです。
手数料は2〜15%と高めですが、〜100万円までは10%〜、101〜500万円は5%〜、501万円以上は2%〜と金額規模ごとの手数料水準が明記されているので、手数料水準を想定しや少なっています。また、口コミでは利用回数が増えるごとに手数料水準が下がる傾向にあるとのことなので継続利用していくのもよいでしょう。
即日現金化が可能で、利用者の声によると実際に即日で現金化を実現した人が多数いるようです。現金化を急いでいる人にはおすすめの会社です。また、日本マーケティングリサーチ機構の2022年の調査では「安心して利用できるファクタリングサービスNo1」に選ばれています。外部機関からも高い評価を取得していることから、安心して利用できます。
第4位:ペイトナー・ファクタリング
- 手数料は10%固定でわかりやすい
- 1万円からのファクタリングにも対応
- 現金化まで最短10分
- 必要書類が少なくて簡単
ペイトナー・ファクタリングは個人にフォーカスしたファクタリング会社で、手数料は10%と固定。初めから売掛債権の額面の90%が現金化されることがわかるため、資金計画を立てやすいファクタリング会社です。また、1万円と低額の現金化が可能なため、小さい金額の請求書を扱うことの多い人でも利用しやすいといえます。
審査時間は最短10分で、審査完了と同時に入金されるシステム。手数料を固定にすることで、このような迅速対応が可能に。すぐに現金が欲しい人にも便利なサービスです。また、最低限の必要書類は請求書と本人確認書類の二点のみ。すぐに手続を始められるのも魅力です。もし、口座入出金履歴またはサイトURLを提出すると、より審査を有利に進められます。
なお、初回は額面25万円が上限なので、逆に大きな金額の請求書を現金化したい人は他のサービスを検討しましょう。また2社間ファクタリングのみを扱っている点にも注意が必要です。
第5位:Labol
- 少額から多額の現金化まで受け付け
- 手数料が10%固定
- 24時間365日即日現金化
- 東証プライム上場企業が運営していて安心
Labolは現金化の額面の加減を1万円に設定しています。基本的には個人事業主や小規模法人をターゲットとしていることから、大きな金額の現金化には事前確認が必要となるものの、上限は特に設定されていません。そのため、個人向けのファクタリング会社としては多額の現金化も相談可能です。
また、手数料は10%と固定されているため、初めから現金化できる金額が債権額面からわかる、シンプルなシステム。入金スピードは最短60分なので、即日で現金化可能です。しかも、24時間365日営業しているため、休日の現金化も相談できます。
運営会社の株式会社ラボルは東証プライム上場企業の株式会社セレスが運営しています。東証の上場審査を通過している企業という点で、信頼のおけるサービスです。
違法業者や悪質なファクタリングに注意!見分けるポイントは?
ここまでは安心して利用できるおすすめのファクタリング会社を紹介してきましたが、ファクタリングを装う悪質業者も中には存在し、トラブルを引き起こすことがあります。
そのような業者を誤って利用することのないよう、悪質業者を見分けるポイントを紹介しますので、押さえておきましょう。
償還請求権なし(ノンリコース)の取引か
償還請求権なし、もしくはノンリコースの取引では、債務者が倒産するなどして売掛債権の入金が滞っても、利用者に支払いを求める権利を持たないため、2社間ファクタリングでも安心して利用できます。
実は償還請求権をつけるとファクタリングは「貸金業」に含まれるため、貸金業登録のない業者がこれを行うと違法となりますので注意しましょう。なお、正当な金融機関が低い手数料で償還請求権ありのファクタリングサービスを提供している場合も。こちらについては特に問題ないので、売掛債権の債務者の返済能力が信用できるのであれば、利用を検討してもよいでしょう。
利息や分割払い、後払いの手数料がないか
次のケースは全て、貸金業となり、やはり貸金業登録が必要になります。
- 利息を支払わなければならない
- 分割で返済しなければならない
- 売掛額面から差し引かれる部分以外の後払いの手数料が発生する
いずれか一つでも当てはまる場合は、貸金業登録がなければ違法となりますので、注意しましょう。正当なファクタリングでは、手数料は売掛債権の額面から引かれるため、自分の資金から支払うことは通常ありません。
手数料が法外でないか
貸金業に当たらないがゆえに、ファクタリングの手数料には厳密な法令上の上限がありません。そのため、手数料水準については特に、相場と比較して乖離していないか注意が必要です。
2社間・3社間それぞれの手数料水準を押さえた上で、そこから乖離していない会社を利用するようにしましょう。
給与ファクタリングを行っていないか
給与を企業からもらう権利を「給与債権」とみなしてファクタリングサービスを提供しようとする業者がいますが、これも「貸金業」にあたるとして金融庁が注意を呼びかけています。また、給与ファクタリングについては正当な金融機関が貸金業の一環として提供しているケースも見られないため、特に違法業者の可能性が高いので、注意しましょう。
ファクタリング会社の特徴を踏まえて自分に合ったサービスを見つけよう
ファクタリング会社は多数あり、それぞれ得意とする取引手法や現金化の規模などが異なります。法人・個人いずれかを強みとしている会社も多いので、自分の状況や属性を踏まえて、最適なファクタリング会社を選びましょう。
もし利用すべき会社に悩む時は、今回のランキングをぜひ参考にしてください。また、くれぐれも悪質なファクタリング業者に引っかかってトラブルにならないように注意しましょう。自分に合ったファクタリング会社で、スムーズかつリーズナブルに資金調達を実現させてください。