ファクタリングで即日現金化する方法。業者の選び方や注意点を解説

「どうしても今日中に資金調達したい」場合、ファクタリングを利用するのも選択肢の1つです。その際は、業者の選び方や手続きの進め方にも注意しましょう。

本記事では、ファクタリングで即日現金化するための業者の選び方や、手続きにおけるポイントを詳しく解説します。最後まで読めば、スムーズに現金化するための勘所がわかるはずです。

ファクタリングで即日現金化する方法

最初に、ファクタリングで即日現金化する方法について、基本的なところを解説しましょう。

そもそもファクタリングとは

ファクタリング（厳密には、買取ファクタリング）とは、企業もしくは個人事業主が保有する売掛債権を専門の業者（ファクタリング会社、ファクター）に買い取ってもらう資金調達の手法です。

ファクタリング会社は利用者が売却を希望している売掛債権について査定を行い、買取の可否および買取額を判断します。買取が成立したら、利用者の銀行口座に買取額が振り込まれる流れです。

本来の売掛金の支払期限が到来したら、最終的にはファクタリング会社に返済することになります。ただし、契約に関与する当事者の数によって流れが多少異なるので注意が必要です。

ファクタリングを契約に関与する当事者の数で分類すると、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングに分けられます。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社との間で契約を結ぶ形態のファクタリングのことです。

一連の流れは以下の通りです。

1. ファクタリング会社と利用者との間で契約を結ぶ
2. ファクタリング会社は売掛債権を買い取り、手数料を差し引いた額を利用者の銀行口座に入金する
3. 売掛債権の本来の支払期限が到来したら、取引先から入金がある
4. 入金を確認できたら、利用者がファクタリング会社に返金する

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社に加え、取引先も契約に関与する形態のファクタリングです。

一連の流れは以下の通りです。

1. ファクタリング会社、利用者、取引先の3社間で契約を結ぶ
2. ファクタリング会社は売掛債権を買い取り、手数料を差し引いた額を利用者の銀行口座に入金する
3. 売掛債権の本来の支払期限が到来したら、取引先がファクタリング会社に返金する

ファクタリングで即日現金化できる理由

ファクタリングで即日現金化できる理由を端的にまとめると「融資ではなく、売掛債権の買取だから」です。

銀行やノンバンクから融資を受ける際の審査においては、利用者に相応の支払能力があるかをさまざまな指標からチェックします。

貸借対照表や損益計算書などの書類を精査したり、担当者によるヒアリングが行われたりなど、手続きにも時間がかかるのが実情です。

ノンバンクが提供するビジネスローンであれば、即日融資が実行されるケースもありますが、銀行の場合は1週間～2週間はみておいたほうが良いでしょう。

しかし、ファクタリングでは「その売掛債権の回収可能性」に重きが置かれた審査が行われます。

融資のケースに比べると審査が複雑でないため、即日現金化できるケースも多いのが実情です。

もちろん、100％即日現金化できるとは限りません。

書類に抜け・漏れ・不備があったり、売掛債権の回収可能性が低いと判断されたりした場合は、入金が遅れたり、審査に通過できないこともあります。

詳しくは後述しますが、事前にできる対策を講じた上で審査に臨みましょう。

ファクタリングで即日現金化するための業者の選び方

ファクタリングで即日現金化するためには、以下のポイントに気を付けて業者を選びましょう。

• 2社間ファクタリングの扱いがあるか確認する
• 手数料を確認する
• 会社概要を確認する
• 審査～入金までの時間を確認する
• オンラインで手続きが完結する業者を選ぶ

2社間ファクタリングの扱いがあるか確認する

利用を検討している2社間ファクタリングの扱いがあるか、かならず確認してください。3社間ファクタリングに比べると、資金調達までにかかるスピードが圧倒的に異なるためです。

3社間ファクタリングの場合、取引先から利用の承諾を取り付けないといけません。会社の資金繰りに関わる大きな問題でもあるため、特に規模の大きい会社が取引先だった場合は、決裁までに時間がかかります。1週間経っても回答がないことは往々にして考えられる上に、上層部からのNGが出て資金調達がとん挫する可能性もゼロではありません。

短時間での資金調達を前提にするなら、2社間ファクタリングを使ったほうが理には適っています。ファクタリング会社によって審査完了・入金までのスピードは異なりますが、即日入金に対応している会社も珍しくありません。

逆に、即日入金してもらうのにこだわりがなく、取引先に知られても問題ない場合は、3社間ファクタリングを使うのも選択肢の1つです。ファクタリング会社が負うリスクが低いため、手数料も2社間ファクタリングに比べると安くなっています。

実際のところ、（買取）ファクタリングを扱う会社であれば2社間ファクタリングに対応していることが多いですが、稀に3社間ファクタリングしか使っていないケースもあります。事前に扱いがどうなっているかを確認した上で、見積もりを取るなど次のアクションに移りましょう。

手数料を確認する

ファクタリングを利用する際は、かならず手数料を確認しましょう。手数料があまりに高いと、会社にとっても負担になります。

ファクタリング手数料の内訳は、以下の通りです。

基本手数料	・ファクタリング業者の収益 ・貸し倒れや詐欺などのリスクに備える費用
着手金	売掛先1件ごとに発生する費用　※基本手数料に含めるケースもある
諸経費	審査手数料、事務手数料、振込手数料、出張費、交通費、収入印紙代
登記費用	登録免許税、司法書士への報酬

2社間ファクタリングの場合、手数料の相場は10％～20％となっていますが、これより低いケースも多々あります。

審査の結果、回収可能性が高いと判断されれば、ファクタリング会社が背負うリスクプレミアムも低くなるためです。

一方、相場よりあまりに高い場合は、手数料の内訳を見せてもらった上で、細かい部分について説明を受けましょう。

自分からオフィスに出向いているのに出張費や交通費が計上されていたり、着手金があまりに高額だったりなど、不審な点がある場合は、一度持ち帰るのをおすすめします。

どんな会社なのかを確認する

ファクタリングを使う際は、公式Webサイトや口コミサイトを確認し、使おうとするファクタリング会社がどんな会社なのかを確認しましょう。

以下の特徴に当てはまるファクタリング会社であれば、問い合わせをしてかまいません。

• 東証プライム上場企業、もしくはそのグループ会社である
• 大手銀行などがパートナー企業として名を連ねている
• 創業からの年数が長く、資金調達額や対応件数など実績を開示している
• 代表者の顔写真やスタッフ紹介など「誰が働いているのか」がはっきりわかる
• 手数料、利用可能額などの諸条件について、公式Webサイトに分かりやすく書いてある
• 電話、メールの対応品質が良い
• 極端に悪い口コミが出回っていない

一方、以下の特徴に当てはまるファクタリング会社は、使わないほうが無難です。

• 会社の住所、電話番号に不審な点がある
• 代表者の名前が書いていないなど「誰が働いているのか」がはっきりわからない
• 公式Webサイトに書かれている情報があまりに乏しい
• 電話、メールの対応がいい加減
• 悪い口コミが多い

周囲にファクタリングを使ったことがある会社経営者、個人事業主がいるなら、一度話を聞いてみるのも参考になります。

ファクタリングで即日現金化するための注意点

ファクファクタリングで即日現金化をするためには、いくつか注意点があります。

具体的な注意点として、以下の4つについて解説します。

• 必要書類は抜け・漏れなくそろえる
• 平日の午前中に手続きを済ませる
• できるだけ信用力の高い取引先の売掛債権を使う
• 不明点、不審な点があったら一度立ち止まる

必要書類は抜け・漏れなくそろえる

申込時、契約時に必要となる書類は、抜け・漏れなく揃えましょう。一般的に必要となる書類を、法人・個人事業主にわけてまとめました。

ここで紹介した以外にも、ファクタリング会社から用意するよう求められた書類は、できるだけ早く渡せるようにしましょう。特に、商業登記簿謄本など、法務局に取りにいかなくてはいけない書類は、すぐに使う予定がなかったとしても、普段から用意しておくのをおすすめします。

法人の場合

書類	取得日数目安	取得方法
商業登記簿謄本	1〜7日	法務局 (窓口申請・郵送申請・インターネット申請)
印鑑証明書	1〜7日	法務局 (窓口申請・郵送申請・インターネット申請)
預金通帳のコピー	1日	普段使っている預金通帳を指定期間分コピーする
決算書	1〜7日	社内で用意するか、顧問税理士に依頼する
売掛先企業との契約書や発注書	1〜3日	社内で用意する
身分証明書	1日	代表者の運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどを用意する

個人事業主の場合

書類	取得日数目安	取得方法
預金通帳のコピー	1日	普段使っている預金通帳を指定期間分コピーする
売掛先企業との契約書や発注書	1日	自分で用意する
身分証明書	1日	自分で用意する
確定申告書(過去3期分)	1日	自分で用意するか、顧問税理士に依頼する

平日の午前中に手続きを済ませる

ほとんどのファクタリング会社は、土日祝日が休みです。

営業時間も、朝の9時か10時から、夜の18時か19時くらいまでのところが多いため、この時間内に手続きを済ませる必要があります。

即日現金化にこだわるなら、できるだけ午前中か午後の早い段階で手続きを済ませましょう。

ファクタリング会社によっては「15時までに手続きが完了すれば、最短でその日のうちに入金可能」と、明確なタイムリミットを示しているケースもあります。

事前に「当日中にお振込みいただくには、何時くらいまでに手続きをすれば良いですか？」と聞いてもかまいません。

できるだけ信用力の高い取引先の売掛債権を使う

審査をスムーズに進め、即日現金化するには、できるだけ信用力の高い取引の売掛債権を使うようにしましょう。上場企業や官公庁、地方自治体に対する債権であれば、信用力も高いため、当日中に現金化できる可能性が高くなります。

逆に、創業からまもない中小企業や個人事業主に対する債権は不利になりがちです。特に、個人事業主に対する債権は、信用力を正確に測定できないとして、買取を断るファクタリング会社もあります。

個人事業主との取引が多い場合は、対応してくれるファクタリング会社を探しておきましょう。

不明点、不審な点があったら一度立ち止まる

ファクタリング会社とやり取りをしていて、不審な点や不明点があったら、一度立ち止まるようにしましょう。「急いては事を仕損じる」という言葉にもあるように、どんなに急いでいても、焦って不正確な判断をしたら、後々に響きます。

具体的に、どんなことがあったら一度立ち止まるべきか、いくつか具体例を挙げましょう。

契約書を渡してもらえない

ファクタリング契約の締結に当たり契約書を渡してもらえない場合、そのファクタリング会社は使わないほうが無難です。

一般的に、ファクタリングを利用する際は売掛債権に関する売買契約書や業務委託契約書の取り交わしを行います。
法律上、口約束でも契約は成り立ちますが、後で「言った言わない」で争わないよう、契約書の形で残すのが一般的です。

しかし、ファクタリング会社が実は違法金融業者で、本来は違法貸付をするために接近していたとしましょう。
その場合、契約書を渡してしまうと証拠が残ることから、存在をはぐらかそうとするかもしれません。

「契約書はないんですか？」とやんわりと聞き、ないと回答してきたり、不正確な内容のものを渡してきたりした場合は、きっぱり断りましょう。

償還請求権付の契約を持ち掛けてきた

償還請求権とは、金銭債権などが債務者から支払われないとき、金銭債権をさかのぼり直接請求できる権利のことです。

ファクタリングの場合、取引先が倒産し、売掛債権が回収できなくなった場合に、ファクタリング会社が利用者に対し弁済を求める権利と考えましょう。

償還請求権が付されたファクタリング契約のことをウィズリコースファクタリングと言います。これに対して、付されていないファクタリングのことをノンリコースファクタリングと言います。

ウィズリコースファクタリングは、経済的実態が「売掛債権を担保にした融資」と判断されるため、貸金業者としての登録を済ませていないと扱えません。そのため、貸金業者としての登録を済ませていないファクタリング会社がウィズリコースファクタリングを持ち掛けてきた場合は断りましょう。

れっきとした貸金業法違反であるためです。

事前に、そのファクタリング会社が貸金業として登録を済ませているか、調べておくとよいでしょう。金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で簡単に調べられます。

担保や保証人を要求してくる

ファクタリングの利用にあたり、担保や保証人を要求してくる場合も要注意です。

ファクタリングは売掛債権の売却であり、融資ではありません。

融資ではない以上、担保や保証人も不要であるはずです。

100％断言はできませんが、担保や保証人の話をされた場合は、違法業者が接触を図ろうとしている可能性が否定できません。

うっかり応じてしまったら、違法貸付を持ちかけられたり、詐欺の片棒を担がされたりなど、金融犯罪に巻き込まれる可能性も出てきます。

「今日のところは持ち帰ります」とでも言い、その場を離れましょう。必要に応じて警察や日本貸金業協会、金融庁などに通報してください。

手数料が相場より著しく高い

呈示された手数料が相場より高い場合は、その根拠について聞きましょう。

「売掛債権の回収可能性が低いため、手数料を高めに提示した」など、明確な根拠が示されていれば問題ありません。しかし、そうでない場合は、やはり一度持ち帰るのをおすすめします。

また、事務所やその付近での面談であるにも関わらず旅費を請求してくるなど、本来は発生しえない諸経費を請求してくるパターンもあります。諸経費についても内容と理由を聞いてください。

即日資金調達したい人におすすめのファクタリング会社3選

即日資金調達をするためには、どこのファクタリング会社に頼むかが重要です。

そこで、以下の基準をもとに、即日資金調達したい人におすすめのファクタリング会社を選びました。

• 法人、個人事業主ともに利用できる
• 手数料が明確である
• 最短即日資金調達が可能である
• 開示情報が多く、信頼できる
• オンラインでの申込に対応している

ここでは、おすすめのファクタリング会社として、次の3つを紹介します。

サービス名	ビートレーディング	OLTA	アクセルファクター
手数料	2~10%	2~9%	2~15%
入金スピード	最短5時間	最短即日	最短即日
審査通過率	98%	非公開	93%
必要書類	2枚	4~6枚	3枚
利用可能額	制限なし	制限なし	30万円~1億円
契約方式	2社間／3社間	2社間	2社間／3社間
取引方法	オンライン・対面	オンライン	オンライン・対面
URL	公式サイト	公式サイト	公式サイト

ビートレーディング

サービスの対象者	個人事業主・法人
審査通過率	98％
入金スピード	最短5時間
手数料の目安	2〜10％
買取の下限額／上限額	制限なし
契約方式	2社間／3社間
取引方法	オンライン・対面
対応エリア	全国
対面窓口	東京都／大阪府／福岡県／宮城県
必要書類	・売掛債権に関する資料（請求書や注文書など） ・通帳のコピー（表紙付2ヵ月分）

ビートレーディングは、独立系のファクタリング会社です。創業は2012年とファクタリング業界の中では比較的歴史のある部類に属します。公式Webサイトによれば、月間契約数800件以上、累計取扱高900億円以上の実績があるとのことです。

また、専任女性オペレーター制度を導入し、対応品質の向上にも力を入れています。これまでまったくファクタリングを使ったことがない人でも安心して利用できるよう、ていねいかつ親切な対応に定評があるのも、ビートレーディングの強みです。

最短5時間で入金されるため「どうしても今日中に資金調達したい」場合は有力な選択肢になるでしょう。なお、手数料の目安は2％～10％となっています。実際の手数料は審査の結果によって決まりますが、比較的リーズナブルな水準です。

OLTA

サービスの対象者	個人事業主・法人
審査通過率	非公開
入金スピード	最短即日
手数料の目安	2〜9％
買取の下限額／上限額	制限なし
契約方式	2社間
取引方法	オンライン
対応エリア	全国
対面窓口	東京都
必要書類	・昨年度の決算書一式（貸借対照表／損益計算書／勘定科目明細） ※個人事業主は確定申告書B 第一表 ・入出金明細（4ヵ月分） ・請求書 ・身分証明書

OLTAはOLTA株式会社が運営するファクタリングサービスです。

同社は独立系のフィンテック企業ですが、三菱UFJ銀行やNTT西日本など、日本有数の大企業と提携し、事業を営んでいます。社会的な信頼性という意味では、申し分のない会社です。

OLTAは「クラウドファクタリング」と称していることからもわかるように、完全オンラインでサービスが利用できます。電話でのヒアリングはありますが、オンライン・対面での担当者との面談はありません。

また、個人事業主であっても問題なく利用できます。ただし、4ヵ月以上の事業における入出金実績がないと申込ができないため、その点には注意が必要です。

なお、利用に当たっては請求書が必要ですが、請求書を発行しない取引の場合は、それに代わる書類を用意すれば利用できます。

詳細は、カスタマーサポートに問い合わせましょう。

アクセルファクター

サービスの対象者	個人事業主・法人
審査通過率	93％
入金スピード	最短即日
手数料の目安	2〜15％
買取の下限額／上限額	30万円～1億円
契約方式	2社間／3社間
取引方法	オンライン・対面
対応エリア	全国
対面窓口	東京都／愛知県／大阪府／宮城県
必要書類	・請求書 ・入出金通帳 ・身分証明書

アクセルファクターは、東京・愛知・大阪・宮城の4ヵ所に営業所を構える独立系のファクタリング会社です。公式Webサイトによれば、審査通過率93％とかなり高い水準を誇ります。

少額の売掛債権の買取を断るファクタリング会社もある中、アクセルファクターは下限金額を一切設定していません。少額の取引が多い場合でも一度相談してみましょう。

また、即日入金にこぎつけるよう、スピード重視のスキームで業務を進めているのも、アクセルファクターの大きな特色の1つです。公式Webサイトによれば、全体取引のおよそ半数以上は即日完遂しています。

できるだけ午前中から手続きをするなどの工夫は必要ですが「どうしても今日中に資金調達がしたい」場合には、利用すべきファクタリング会社の1つです。

結局のところファクタリング会社選びが重要

結論から言うと、ファクタリングを利用すれば、即日資金化は十分可能です。しかし、そのためには対応しているファクタリング会社を選び、トラブルが生じないよう申込や契約を進めるのが必須条件になります。

結局のところ、どのファクタリング会社を選ぶかで、即日資金化の成否が決まる部分も大きいかもしれません。普段から情報収集をし、自社のニーズにあったファクタリング会社を探しておきましょう。