給料ファクタリングは違法?その仕組みと危険性対策について解説

昨今、サラリーマン向けのキャッシングやカードローンのCMが盛んにおこなわれていることが代表するように、個人向けの金融業が盛んになっています。特に近年のコロナウィルス蔓延による経済困窮などから利用者が増加しているともいわれています。

しかしながら、個人向けの借入は自己破産や返済による困窮が社会問題となったこともあり、その用途や目的に応じて借り入れ可能金額が大きく制限されていますし、金融業者側の審査も非常に厳しくなっており、利用者が自由に借り入れすることが困難となっています。

そこで近年、こういった問題を解消するとされる新しい個人向け金融サービスが出てきました。それが「給料ファクタリング」です。しかしながらこのサービスは危険性を伴い、実際に多くの被害者が生まれているといわれています。

そこでこの記事では「給料ファクタリング」について、どのようなサービスで、どんな危険性が伴うのか?詳しく解説いたします。お金に困っていて、給与ファクタリングの利用を考えられている方、是非この記事を読んで参考にしていただければ幸いです。

給料ファクタリングとは?


給与ファクタリングの危険性について説明する前に、そもそも給与ファクタリングとはどのようなサービスなのか?説明したいと思います。

給与ファクタリングとは企業向けにサービス提供されている「ファクタリング」を個人向けにしたサービスとなっています。ここではファクタリングサービスも含め詳しく解説します。

そもそもファクタリングとは何か?

そもそも「ファクタリング」とはどのようなサービスなのでしょうか?

ファクタリングは「債権買取り」を意味する言葉で、売掛金を利用して資金を調達する資金調達方法の1つです。売掛金とは、簡単にいえば仕事に対する対価のことであり、例えば工場が商品を納品したあと、納入される代金が入金されるまでの間、その売掛金をもらう権利のことを「債権」と呼ぶわけです。

ファクタリングサービスは、その債権をファクタリング業者に売り、現金化できるサービスです。ファクタリング業者は一定の手数料を差し引いた金額で買い取り、あとで債権を回収することで手数料を設けられる仕組みです。

一般的に企業間取引に関しては仕事や商品を納入した後、1か月、ないしは2か月後に入金されるのが一般的です。しかしその間に下請け業者や材料費の支払いが発生するため、資金難になるケースも出てきます。こういったケースにおいてファクタリングサービスを利用することで早期に資金調達が可能となり、キャッシュフローを改善できるメリットがあります。

また、利用者にとってファクタリングのもう一つのメリットは、借入金、すなわち借金として扱われない点です。ファクタリングはあくまで債権の買取であって、銀行などのローンとは違い借入金として扱われないので、企業の信用などに影響しないのです。

さらに言えば業績が悪化している企業の場合、信用情報によっては借り入れできないケースも出てきますが、ファクタリングは借入として扱われないため、信用情報に左右されることなく資金調達が可能となるわけです。

ファクタリングとは、売掛金(売掛金)をファクタリング会社に現金から手数料を差し引いた金額で販売することです。ファクタリングを使用すると、売掛金の期日より前に資金を調達できるため、キャッシュフローを改善できます。

また、このようなファクタリング業者ですが、基本的に合法です。貸金業としての資格は必要となりますが、あくまでも債権買い取りという形であり、法律上も問題ないサービスとなっています。

給料ファクタリングとは?

では、本題である「給料ファクタリングとはどのようなサービスなのでしょうか?

給料ファクタリングとは、給与を対象にして行うファクタリングサービスのことを指します。端的に言えば「給料」を債権と見立て、これを買い取る代わりに代金を先払いする、という形です。

仕組みとしては、給料分から手数料を引いた金額をあらかじめ支払い、給料支払い日に給料を業者の指定口座に振り込む形とすることで、ファクタリング業者は手数料を儲けるという形になります。

一方利用者は、ファクタリングサービス同様、給料入金前に資金調達できる為、資金繰りが困窮している際などは、一時的に資金難を回避できるというわけです。
いわば一般サラリーマン向けのファクタリングサービス、といったイメージですね。

給料ファクタリングは違法なのか?


ここまでの説明だけですと一見、何ら問題のないように見える給料ファクタリングですが、違法なサービスと言われることが多々見られます。本当に違法なのでしょうか?

ここでは給料ファクタリングが何故違法、と言われるのか詳しく解説しましょう。

必ずしも違法、というわけではないが、違法業者が横行しているのが実態

給与ファクタリングは違法であると指摘されることがよくありますが、必ずしも違法であるとは限りません。しかし、実際には、違法な給料ファクタリングサービスが横行しているのが現状です。給与ファクタリングが違法であるかどうかを判断するためにどこを確認すればよいか?説明しましょう。

給与ファクタリングサービスを提供するには、貸金業登録する必要があります。しかしながら無登録のヤミ金融が提供しているケースも多く、これらを利用すれば様々な被害や、最悪の場合、破産などにつながる恐れがあります。

クレジットカード会社やローン会社の広告で「○○財務局長(1)No.00000」などの表記を見たことがあるかもしれません。その表記で、あなたが貸金業登録を完了した事業者であるかどうかを確認できます。

「XX県知事(1)No. 00000」と書いてありますが、すでに貸金業として登録されています。一県内でのみサービスを提供する会社は、県知事が登録しています。財務局長が登録している会社は、複数の都道府県にまたがってサービスを提供している会社です。

これらの表記のない業者が給与ファクタリングを営んでいる場合は違法になります。広告やホームページが確認できない場合は、金融庁の「登録金貸し情報検索サービス」で確認できます。トレーダー名、代表者名、電話番号などの情報を入力して検索できます。ここに情報がない場合は、未登録のベンダーであることがわかります。登録番号から業者名を検索できるので、広告やホームページに掲載されている登録番号が本物かどうかを確認できます。

給与ファクタリングの危険性


違法な業者が横行していることもあり、非常にグレーなサービスともいえる「給料ファクタリング」ですが、利用することでどんな危険性があるのでしょうか?

ここでは給料ファクタリングを利用することでどのような危険性があるのか?説明します。

怖いのは手数料の高さと依存性

給与ファクタリングを利用することの危険性の一つは、それは高額な手数料と依存性にあるといえます。

給料ファクタリングの手数料率は一般的に20〜30%で、例えるなら給料20万円で利用した場合、受け取れる金額は14万円〜16万円となります。一回限りの利用で済めばよいのですが、実際には繰り返し利用せざるえないケースも少なくありません。

このように繰り返し利用することで、自転車操業のようになってしまい、最終的には給料そのものがなくなり、破綻へと追い込まれるケースもあり得るわけです。

金利の高さやブラックでも利用できる点は闇金と同じといえる

ファクタリング業者を継続的に利用するのはある意味、ヤミ金を利用しているのと同じ、と考えるべきです。
先にもお話したとおり、1回の給料に対し、20%~30%の金利を取られているということは、年利換算すれば200%以上の金利を取られているのも同じ、すなわちヤミ金を利用しているのと同等となるわけです。

繰り返し利用することで手数料という金利を払い続け、最終的に手数料すら払えなくなる、という構図はまさに闇金利用の構図と同じと言えます。
既に上限まで借りてしまいお金を借りられない方でも利用できる手軽さからついつい利用してしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、それはヤミ金からお金を借りているのと同じである危険性を理解すべきでしょう。

まとめ:給与ファクタリングは違法、危険なサービス


いかがだったでしょうか?

給料ファクタリングとは、利用者が勤務先に対してもつ「給料」という債権を業者に買い取ってもらうサービスです。業者は給料金額から手数料分を差し引いて支払いし、手数料で設けるスキームになります。

法律上は合法ではあるものの、実際には貸金業許可を取らずヤミ営業している業者も多数あります。また、ファクタリングという形式をとってはいるものの、実際にはヤミ金とほぼ同じであり、いずれ金利が払えなくなる、破綻するといったリスクをはらんでいます。

このようなことから、給料ファクタリングはおすすめできないサービスと言えるでしょう。何らかの理由で利用せざるを得ない場合においても正しく営業している業者を選び、節度をもって利用するようにしましょう。