近年、ファクタリングを利用する企業が増えています。ファクタリングは売掛金を利用して資金調達する方法です。
しかし、最近サプライチェーンファイナンスといった資金調達方法も流行っているのをご存知でしょうか?
そこで今回はファクタリングとサプライチェーンファイナンスの違いについて説明をします。わかりやすく説明しますのでぜひ参考にしてください。
サプライチェーンファイナンスとは?
サプライチェーンファイナンスとは、リーマンショック後に注目された資金調達方法です。
購買、生産、販売といったサプライチェーンに着目したもので、必要な資金をタイムリーかつ低廉な金融コストで提供することを主眼としています。
サプライチェーンファイナンスが流行った理由は、それぞれの製造過程において、資金が不足し、経済活動に悪影響を与えるのを排除するために流行りました。
特に、大企業では、様々な地域に工場などを抱えており、サプライチェーンは非常に複雑です。
サプライチェーンをうまく機能させるためには、資金供給をスピーディーに行う必要があり、このサプライチェーンファイナンスを利用する企業が増えました。
サプライチェーンファイナンスは主にメガバンクが提供することが多く、タイムリーに資金を供給してくれるため、多くの企業が利用をしています。
また、金利も非常に低いことから、金利コストをかけずに利用できるのも、サプライチェーンファイナンスの大きなメリットになるでしょう。
ファクタリング とは?
ファクタリングとは、取引先の売掛債権を利用して資金調達する方法です。
取引先の信用力が高ければ自社の信用力が低くても利用できる資金調達方法として近年非常に注目されています。
また、ファクタリングは利用できる金額が小口から数千万円まで対応している業者があるため、非常に使い勝手が良いです。
最短即日資金調達できる業者があるのも、ファクタリングが人気の理由でしょう。
手数料が高いことや、業者の中には怪しい業者があるなどデメリットもありますが、総じてメリットが多い資金調達方法であるといえるでしょう。
サプライチェーンファイナンスとファクタリングの違い
サプライチェーンファイナンスとファクタリングの主な違いは6つあります。
- 金利が違う
- 利用できる対象者が違う
- 提供している業者が違う
- 資金使途が違う
- 資金提供のスピードが違う
- 利用できる金額が違う
サプライチェーンファイナンスとファクタリングの違いについてわかりやすく説明をします。
金利が違う
一般的にサプライチェーンファイナンスは、メガバンクが提供することが多く、利用をする企業の信用力も見た上で提供されるので、金利は非常に低い傾向にあります。
一方、ファクタリングは、売掛先の信用力によって大きく金利は異なりますが、一般的には銀行融資やカードローンなどに比べ手数料が高いです。
その分、自社の信用力が低くても利用できるなど、様々なメリットがありますが、ファクタリングについては手数料が高いのがデメリットになってしまうでしょう。
サプライチェーンファイナンスは、金利が低く、ファクタリングは一般的に手数料が高いと覚えておきましょう。
利用できる対象者が違う
サプライチェーンファイナンスは、一般的に大きなサプライチェーンを持っている大企業が多いイメージです。メガバンクが提供するだけあって、それなりの規模が必要になるでしょう。
一方、ファクタリングは、個人事業主から大企業まで幅広く利用できる資金調達方法です。
特に個人事業主や零細企業においては非常にありがたいものになるでしょう。
なぜなら、個人事業主や零細企業は、資金調達方法が大企業に比べて圧倒的に少ないからです。
自社の信用力が低いと、どうしても資金調達方法は限られてしまいます。また、個人事業主の場合、そもそもお金を借りるのが非常に難しくなってしまうケースが多いです。
カードローンの利用もサラリーマンであれば比較的簡単に利用できますが、個人事業主だと信用力が低いため、利用できない場合も多くなります。
しかし、ファクタリングであれば、売掛先の信用力さえ高ければ個人事業主や零細企業でも資金調達ができます。
このようにサプライチェーンファイナンスとファクタリングでは、そもそもの利用できる対象者が違うのは覚えておきましょう。
提供している業者が違う
サプライチェーンファイナンスは主にメガバンクなど大きな金融機関が提供しているケースがほとんどです。
一方、ファクタリングについてはメガバンクも提供していますし、ファクタリングを専門に行っているファクタリング業者も提供しています。
特に中小企業や個人事業主が利用する場合、ファクタリング専門業者に頼むのが一般的でしょう。
ファクタリングは非常に人気が出てきているため、多くの業者が参入をしています。
ほとんどの業者は信用できる業者ですが、中には、残念ながらヤミ金まがいの信用できない業者もあるので注意が必要です。
ファクタリングを利用する際は、利用するファクタリング業者についてしっかり調べるようにしましょう。
また、メガバンクなどが提供するファクタリングの場合は、そもそも取引がないと利用すらできない可能性が高いです。
まずはファクタリング業者のファクタリングを検討するようにしてください。
資金使途が違う
サプライチェーンファイナンスの資金使途は、製造過程で必要な資金を都度調達するイメージです。
サプライチェーンに関わるものしかお金の利用はできません。
一方、ファクタリングは資金使途は基本的に自由です。
自由に利用利用できるのはファクタリングの大きなメリットでしょう。
銀行の借り入れの返済に充てることもできますし、設備投資に充てることもできます。
また従業員の給料などに充てることも可能です。
ファクタリングを利用する会社の多くは、経営が苦しい場合が多いので、自由に資金を利用できるのは、企業再生を図る上でも大きなメリットになるのではないでしょうか。
ただし、先ほど説明した通り、手数料が高いのが一般的なので、一度利用するとなかなか抜け出せなくなってしまう可能性があるので注意してください。
資金提供のスピードが違う
サプライチェーンファイナンスの場合は、契約をすれば即資金調達されるケースが多いようです。
一方、ファクタリング業者によって資金調達のスピードは全く異なります。
最短数時間で資金調達できる業者もあれば数日かかる業者もあるので、急いでいる方は、資金提供の速いファクタリング業者を選ぶようにしましょう。
ただし、銀行融資や銀行カードローンなどに比べると、資金調達のスピードが速いのが一般的なので、積極的に活用するようにしましょう。
急いでいるときには特に即日利用できるのはファクタリングの大きな魅力になるでしょう。
利用できる金額が違う
サプライチェーンファイナンスはメガバンクなどが提供するため、利用する企業も大企業が多いです。
その分、利用できる金額の総額は非常に大きい傾向にあります。
一方、ファクタリングの場合は、業者によっては数億円など大きな金額の調達ができる場合がありますが、一般的には数千万円程度が上限のファクタリング業者が多いイメージです。
しかし、その分、小口に対応している業者も多いため、使い勝手は非常に良いでしょう。
特に個人事業主や零細企業など少しの資金が必要な業者にとってファクタリングの存在は非常に大きいはずです。
サプライチェーンファイナンスとファクタリングは全くの別物!
サプライチェーンファイナンスは、サプライチェーンを円滑に維持するために行われる資金調達方法です。
メガバンクなど大手金融機関が提供しているサービスで利用する企業も大企業が中心になります。
一方、ファクタリングは、個人事業主から大企業まで、すべての経済活動を行っている人が対象の資金調達方法です。
売掛金を使って資金調達をする方法で、売掛先の信用力さえ高ければ利用できる資金調達方法になります。
つまり、自社の信用力が低くても利用できるのです。
一方、サプライチェーンファイナンスは、自社の信用力が高くなければスキームの提供を受けられません。このようにサプライチェーンファイナンスとファクタリングは全くの別物であると認識しておくのが良いでしょう。
ファクタリングにはさまざまなメリットがある!
ファクタリングは、最短即日の資金調達ができ、自社の信用力が低くても利用できるなど様々なメリットがあります。
また、利用する企業の規模にかかわらず、利用できるのも大きなメリットでしょう。
もちろん、銀行融資やカードローンなどに比べて手数料が高いのはデメリットです。
しかし、そもそも銀行融資やカードローンなどを利用できない会社はたくさんあるはずです。
そのような会社が事業再生を行うためには資金が必要になります。
そのためにファクタリングを利用するのは非常に良い方法でしょう。もちろん、ファクタリングは手数料が高いため、一度利用するとなかなか抜け出せなくなってしまうといったデメリットもあります。気をつけて利用しなければならない資金調達方法ではありますが、即効性が高く利用するハードルが低いのは大きなメリットになるでしょう。
まとめ
今回はサプライチェーンファイナンスとファクタリングの違いについて説明をしました。どちらも有効な資金調達方法ではありますが、サプライチェーンファイナンスとファクタリングは全く異なる資金調達方法になります。一般の企業や個人事業主が利用する場合は、ファクタリングが現実的な選択肢となるでしょう。ファクタリングには様々なメリットがありますので、ぜひ今回の記事を参考にしていただき、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。