運送業の資金繰りが厳しい理由と改善方法は?ファクタリングも有効な手段に

運送業の資金繰りが厳しい理由と改善方法は?ファクタリングも有効な手段に

運送業の資金繰りは支払いサイクルの長さや燃料費の高騰など、さまざまな理由により厳しくなりがちです。平均的な利益率はマイナスであるなど、業界全体として厳しい経営環境にあります。

運送業の資金繰り改善には支払いサイトの短縮化やDX、固定費の削減などが有効な他、ファクタリングで支払いサイトの長い売掛債権を迅速に現金化する方法も。この記事では運送業の資金繰りが厳しい背景と対策について紹介します。

運送業の資金繰りが厳しくなりがちな5つの理由


運送業は構造的に資金繰りが厳しくなりがちな複数の要因があります。支払いサイクルが長いなどの、もとから見られる特性に加えて、原料費の高騰や人材不足など、近年起こった環境変化により、一段と運送業の経営環境は厳しくなってきています。

支払いサイクルが長い

法人向けの運送業では顧客からの支払いが商品の配送後になる取引が多くみられます。それも配送直後ではなく、売掛債権であれば下請法で定められている限度である60日(手形なら120日)と最大2か月程度先に設定されている取引が多くみられます。

支払いサイクルが長いため、運送業者ではほとんどの取引において配送に伴うコストが先行して発生することに。このことが資金繰りを悪化させやすくなる要因となっています。

原油高等に伴う燃料費の高騰

運送業では燃料費が大きなコストに。近年は原油高の高止まりを背景とした、ガソリン価格の高騰が運送業者の資金繰りを圧迫しています。

単純に輸送コストが高くなるという直接的な原因のほか、さまざまな商品価格の上昇を通じて商品の流通が減り、物流需要が減少するという間接的な影響もあります。燃料費の高騰は、運送会社にとってコスト高と売上の減少の双方をもたらす要因です。

輸送量の増加や再配達などによる業務効率の低下

ネットショッピングの普及に伴い、以前より運送業者が配達する荷物は増えています。ネットショッピングは利便性を高めるために当日配送など、運送業者にとって負担となるタイトなスケジュールで対応しなければならない取引も多いため、現場の業務の圧迫要因となっています。

特にコロナ禍以降はネットショッピングの需要も高まり、タイトなスケジュールの物流需要が急増した結果、ドライバーなどの人手不足も深刻化。人手不足の中で人材を獲得するために、賃金を引き上げるなどの措置を取らなければならないことも、運送業者の資金繰りや経営を圧迫します。

さらに、従来からある再配達サービスも運送業のコストを圧迫する要因に。再配達が増えれば、1人が1日でさばける荷物の量が減少するため、一段と業務効率や労働生産性が低下します。このような業界特有の構造も運送業の資金繰りを厳しくしています。

事故や車両故障による出費

突然のアクシデントが、急激に運送業の資金繰りを圧迫することもあります。特に交通事故は業務の停滞と、車両の修理、ドライバーや被害者の治療などに伴うコスト増が同時発生するため、運送業の資金繰りにとって大きなリスクに。その他、車両故障やメンテナンスに伴うコストもネックとなります。中小業者で所有する車両が少ない場合には、レンタカーなどを借りなければならない場合もあります。

低い利益率

ここまで紹介した厳しいコスト要因を背景に、近年の運送業は利益率が低いという課題も抱えています。また、配送スピード以外での他者との差別化が難しいため価格競争に陥りやすく、充分な利益を確保する価格を顧客に提示しづらいという問題もあります。全日本トラック協会の調査によると、令和2年時点では全国の運送業者の営業損益率は-0.4%となっており、平均で見れば赤字化してしまっている厳しい事業環境が反映されています。

運送業の資金繰りを改善するための対策


運送業の資金繰りを改善させる方法は小口取引を増やす、支払いサイトの短縮をするなど、いくつかの方法があります。近年運送業界を問わず話題となっているDXについても、運送業界の資金繰りを改善する有効な手立ての一つです。

小口取引を増やす

小口取引を増やすと、1件当たりの取引量が少なくなる一方で取引数が多くなるため、入金タイミングが多くなり、資金繰りが安定しやすくなります。

また、小口取引の方が支払いサイクルが短い傾向にあるため、配送完了後、短い期間で資金回収が可能に。小口取引を増やすことで、多様な取引先を確保しリスク分散を図れる点も、運送業者にとってのメリットとなります。

支払いサイトの短縮

支払いサイトが長い点は、資金繰りが悪化しやすい主要な原因の一つであるため、支払いサイトを短くする経営努力が重要です。顧客の態度を見ながら慎重に対応する必要はあるものの、支払いサイトを短くするための顧客との交渉は継続的に行なうことが大切に。運賃引き下げのタイミングなどに合わせて交渉するのも一つの方法です。

デジタコの活用やDXの推進

デジタル化の進展により、デジタコの活用やDXの推進が可能に。GPSを活用した車両の位置情報や荷物の集荷・配送状況、燃費情報はもちろん、現在では急加速・急減速、エンジンの回転数、アイドリングなど様々な運転情報を収集できます。また、顧客・請求管理や、電子上の勤怠管理など、汎用的なデジタルツールも利用可能です。

DXによりできるだけ多くの業務範囲を自動化することで、業務効率化や人件費の削減、人材不足の改善などが実現でき、コスト削減につながるでしょう。

固定費の削減

運送業は、車両の購入・維持費、物流施設の所有や賃貸、人件費など多くの固定費がかかります。そのため固定費の削減が資金繰りの改善に有効です。余剰人員の削減や雇用形態の見直し、割安な施設の利用や、車両のリースの活用など、固定費を圧縮する方法は複数存在します。

ファクタリングも運送業の資金繰り改善に有効


売掛債権を譲渡して資金調達をするファクタリングも運送業の資金繰り改善に有効です。ファクタリングなら、最短即日など短期間で資金調達が可能なため、さまざまなシーンで運送業の資金繰りを下支えします。

ファクタリングは売掛債権を譲渡して現金化する取引

ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで、早期に現金化が可能な金融サービスのこと。運送業者の資金繰りが厳しい理由の一つの支払いサイトの長さがありましたが、ファクタリングを利用すれば、例えば支払期限が先でも、ファクタリング会社に譲渡してしまえばすぐに資金調達が可能となるため、資金繰りの改善に役立ちます。

売掛債権の信用力をもとに資金調達できるため、利用者自身は赤字でも資金調達できるケースも少なくありません。すでに苦境に陥っている運送業者にも有効な手段の一つとなります。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリング

ファクタリングには、大きく分けて2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。資金調達の緊急性と調達コストなどを比較したうえで、自社にあった取引を実行しましょう。

2社間ファクタリングとは

2社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社の間のみで取引が進むファクタリングで、最短即日など特に迅速な現金化が可能な取引です。また、取引先にファクタリング利用の事実が知られなくて済むというメリットもあります。

2社間ファクタリングにおいては、利用者がファクタリング会社に債権を譲渡すると、ファクタリング会社から売掛債権の額面から手数料を差し引いた金額が受け取れます。利用者は売掛債権の代金を回収し次第、資金をファクタリング会社に渡さなければなりません。ただし、万が一貸し倒れが発生した場合に債務を肩代わりしたりする義務は通常ありません。

迅速な資金調達が可能な一方で手数料が高くなりがちなため、より急を要する資金ニーズに適した手法です。

3社間ファクタリングとは

3社間ファクタリングは、債務者(利用者にとっての取引先)の了承をとって進められるものです。すなわち債務者・企業・ファクタリング会社間で取引が進められます。そのため、取引先にファクタリング利用の事実を伝えなければなりません。関係性の浅い相手だと資金繰りに懸念をもたれて取引関係に影響が出る可能性があるため、信頼のおける相手の売掛債権を活用しましょう。

債権を譲渡した後の資金回収は、ファクタリング会社が取引先と直接コミュニケーションを取って進められます。ファクタリング会社にとってはリスクの低い取引となるため、手数料が相対的に低い傾向にあるのが特徴です。一方で、関係者が多くなる分2社間よりは現金化に時間がかかるケースが多く、翌日~3日後程度を最短としている会社が多くみられます。

ファクタリングが役立つ事例


ファクタリングが運送業者の経営改善に役立つシーンは様々です。ここからは運送業によくある課題や問題に対するファクタリングの活用例を紹介します。

支払いサイトの長い売掛債権でもすぐに資金調達

ファクタリングは支払いサイトの長い売掛債権をすぐに現金化できます。ファクタリングによっては120日以上の支払いサイトの売掛債権でも、現金化に応じてもらえます。2社間ファクタリングでは高額な手数料がかかる一方で、最短即日で資金調達が完了します。数日程度待つことができて、かつ取引先の承認も得られるなら、3社間でファクタリング会社に支払う手数料も抑えながら資金調達も可能です。

ファクタリングを活用すれば、支払いサイトの長い売掛債権が多くても、資金繰りを安定化させられるでしょう。

設備投資や修繕費用などの固定費の資金調達に

運送業の規模が大きいと、新車両購入などの設備費用や、既存車両のメンテナンスなどで、定期的に多額の費用がかかることもあります。これらの費用を手元現金で工面するのが難しい場合に、銀行借り入れを利用すると審査対応で時間がかかってしまうことも。ファクタリング会社の中には、売掛債権の譲渡により億単位の現金を短期間で調達できる先もあるため、このような固定費の手当てにも有効です。

繁忙期の燃料費など変動費への手当にも役立つ

繁忙期になると売上が増える一方で、車両の稼働が増えることで燃料などの変動費も増大します。資金繰りが圧迫しそうなら、繁忙期の変動費をファクタリングで積極的に賄うのも一案です。

売上増に伴い売掛債権も豊富に発生するため、より柔軟にファクタリングを利用できるでしょう。その他、燃料費の高騰した際の追加的なコストをファクタリングで手当てすることで、厳しい局面においても当面の資金繰りを安定化させられます。

運送業におすすめのファクタリングランキングTOP3


ファクタリング会社の選び方を見ても、自分にとって最適な会社がわからないという人も少なくないでしょう。そこでここからはおすすめのファクタリング会社を紹介します。まずは法人向けにおすすめのファクタリング会社3選です。

第1位:PMG

  • 2社間・3社間双方で迅速対応
  • 50万円〜2億円まで対応可能
  • 全国10箇所に拠点を持つ
  • 総合的な成長戦略のコンサルティングも可能

PMGファクタリングは2社間ファクタリング、3社間ファクタリングの双方に対応しているため、運送業者のニーズにマッチしたやり方で資金調達が可能です。

2社間ファクタリングを活用すれば最短10時間程度で入金が完了するため、すぐに資金が必要な時にも役立ちます。最大2億円のファクタリングまで受け付けているため、多額の固定費が必要となるタイミングなどにも便利です。

全国10箇所に本社・支社もしくは営業所の拠点を持つため、地方の運送業者にもおすすめ。自社の拠点がある地域のPMGに相談してみるとよいでしょう。最後に同社では「総合成長支援事業」や「M&A支援活動」もおこなっています。運送業特有の構造的な問題で資金繰りに悩んでいる人は、長期的な財務戦略やM&Aのコンサルティングを受けるのも一案です。目先の資金繰りだけでなく、長期的な経営の安定化を図ることができます。

第2位:日本中小企業金融サポート機構

  • 政府から認定を受けた経営革新等支援機関
  • 赤字企業でも対応していることを明記
  • 手数料は1.5〜10%とリーズナブル
  • さまざまなコンサルティングも手がける

日本中小企業金融サポート機構は、非営利の一般社団法人で、財務省から「経営革新等支援機関」として認定を受けています。同機関は中小企業などの経営強化や支援を主体とする団体に与えられるものなので、特に中小の運送業者にとっては心強い味方となります。

非営利の団体であり、高い利益を上げることよりも、中小企業の健全な発展を重視しています。例えばファクタリングにおいては赤字企業でもサービス提供することを明記。厳しい経営環境における急な資金繰りの圧迫にも対応してもらいやすいでしょう。また、手数料が低いのも特徴で、2社間・3社間ファクタリング双方を扱っているにも関わらず、手数料率は最大で10%以内です。高いコストをかけずに迅速な資金調達が可能な会社となっています。

日本中小企業金融サポート機構はファクタリングのほかにも金融機関との取次や経営のコンサルティングなどもおこなっています。目先の資金調達だけでなく、中長期的な資金繰りの安定化や運送業者特有の経営課題の解決も相談可能。M&Aで事業規模の拡大や事業整理を検討している運送業者にもおすすめです。

第3位:トップ・マネジメント

  • 最大3億円の多額調達が可能
  • 手続がオンラインで完結するため、仕事の合間で手続きを進められる
  • 注文書ファクタリングほか多様な資金調達メニュー
  • 運送業者とのファクタリング事例を確認できる

トップ・マネジメントは取引可能額が最高3億円となっていて、ファクタリング会社の中でも上限額の高い会社の一つです。多数の車両のメンテナンスや設備投資、事故対応などまとまった資金が必要となった時にも便利なファクタリング会社といえます。

同社では「オンラインファクタリング」のサービスなどを利用すると、手続きを全てオンラインで完結させることが可能です。中小の運送業者で経営者とドライバーを兼ねているようなケースでも、モバイル機器があれば出先から資金調達の手続きの準備を進めることができます。

また、多彩な資金調達メニューをあつかっているのも同社の特徴です。例えば注文書ファクタリングは、ビジネスサイクルにおいて請求書よりも早い段階で振り出される注文書を譲渡して資金調達が可能です。資金繰りの手当てに活用する売掛債権の選択肢をふやすことができます。その他2.5社ファクタリングという2社間と3社間のメリットを両立したファクタリングも受け付け。運送業者のニーズに合わせて多様なサービスを提供しています。

同社ではさまざまな業種のファクタリング実績を公開していますが、その中には運送業の事例も複数掲載されており、運送業者でも問題なくサービスを利用可能です。支払いサイトが長いという運送業者特有の課題や、事故発生時の急な資金ニーズに対応した実績が確認できます。

業界の特徴を理解したうえで運送業の資金繰りを安定化させよう!


運送業は支払いサイトの長さや利益率の低さなど、構造的に資金繰りが圧迫されやすい特徴があります。さらに、人材不足や燃料費の高騰などがこの状況に拍車をかけ、全国で多くの運送業が厳しい環境におかれています。

支払いサイトの短縮化や小口取引の獲得、DXなどが有効な対策となる他、ファクタリングを活用するのも有効な選択肢の一つです。今回紹介したファクタリング会社をうまく活用すれば、支払いサイトの長い請求書からも迅速な資金調達が可能に。運送業者の皆様の資金繰りの安定化に役立てましょう。