軽貨物がビジネスローンを利用するメリット・デメリットとは?

軽貨物がビジネスローンを利用するメリット・デメリットとは?

運送業界の人手不足が深刻化する中で、軽貨物業を営む個人事業主や小規模事業者が増えています。急増する荷物の配送の担い手として重要な役割を果たしています。

しかしながら、軽貨物を営む事業者にとってネックとなりがちなのが資金調達です。事業を安定的に営むうえで資金調達手段の確保が重要であるにもかかわらず、軽貨物は信用力に懸念を持たれやすく、銀行融資が通りにくい傾向にあります。

その点、ビジネスローンは審査基準が緩く、軽貨物業者の資金調達手段として有効な選択肢となります。この記事では、軽貨物がビジネスローンを使うときのメリット・デメリットや利用時のポイントを紹介します。

軽貨物の資金繰りは不安定になりがち


軽貨物は運送業の一種で、相対的に規模の小さい事業者が多い傾向にあります。そもそも運送業は資金繰りが安定しにくい業種の一つです。さらに軽貨物となると、財務基盤の弱い個人事業主や小規模事業者が事業を展開するため、より一層資金繰りが難しくなりがちです。

脱サラなどにより軽貨物で起業しても、資金がショートして短期間で廃業する人も少なくありません。

支払いサイクルが長い

対法人との運送取引の場合、多くの取引において運送代金が後払いとなります。これは運送業全体にみられる商慣行です。

さらに軽貨物の場合は、別の大手業者の下請けで運送サービスを提供する場合も多くみられます。

このビジネスモデルの場合は元請け業者を経由して支払いが行われるため、より一層、配送実施後に売上金が入金されるまでにタイムラグが発生することに。常に輸送にかかるコストが先に出ていく事業構造となるため、資金繰りが不安定化しやすいのです

燃料費により輸送コストが不安定

軽貨物はほとんどが小型トラックで運送を行うため、ガソリン価格の変動はそのままコストの変動要因となります。配送料を柔軟に引き上げるのは困難なため、ガソリン価格の高騰は収支の圧迫要因となりがちです。

燃料費の変動に伴う不確実性は運送業全体に当てはまることですが、特にビジネス基盤の弱い軽貨物の方が、大きな打撃を受けるリスクが高いと言えます。

利益率が低い

運送業は全体的に利益率が低いのが問題となっています。全日本トラック協会の調査によると、令和2年時点で、運送業者の平均利益率は-0.4%となっており、平均で見れば赤字化しています。

さらに、軽貨物は多くの場合大手業者などと業務委託契約を締結してビジネスを展開しています。

委託契約では契約元に対してロイヤリティなどの名目で定期的に手数料を支払わなければなりません。この追加的なコストを加味すると、運送業の中でも利益を残しにくい事業構造といえます。

そもそも財務基盤がぜい弱

軽貨物の事業者は個人事業主や小規模事業者が中心です。中には脱サラして限られた元手でビジネスを始めた人もいます。

そのため、そもそも手元資金が潤沢とは言えず、資金繰りが不安定化しやすい状態のまま事業を行っている人も少なくありません。

平時は何とか事業を継続できていても、ちょっとした環境変化やトラブルなどによりたちまち窮地に立たされるリスクがあります。

ビジネスローンは軽貨物業者の有効な資金調達手段の一つに


資金繰りが不安定になりやすい軽貨物業は、銀行融資を受けるのが困難な事業者も少なくありません。一方でビジネスローンなら相対的に審査のハードルが低いため、軽貨物業者の有効な資金調達手段の一つとなります。

軽貨物業者は銀行融資を断られることが多い

銀行融資は他の資金調達手段と比較しても金利が低いケースが多いですが、その裏には融資基準が厳しいことが背景にあります。高い確率で借入を返済できる信用力の高い先に融資を行うからこそ、金利が低くても事業が成り立つのです。

その点では、資金繰りが不安定化しがちな運送業は、そもそも銀行が融資に対して慎重になりやすい業種。そのうえ軽貨物業者は事業基盤や財務体質が脆弱な傾向にあることから、さらに審査を通過するのが難しくなります。

担保や信用保証協会の保証などを要求されるケースが多く、もし充足できなければ融資を断られる場合も多いのです。

ビジネスローンの方が相対的には審査に通過する余地がある

ノンバンクなどがサービス提供するビジネスローンも事業者向けの貸付ではありますが、銀行融資と比べると金利の上限が高めに設定されていて、最大10%を超える利率が設定されているローンも散見されます(2023年5月時点)。

金利が高い分銀行融資と比べるとリスクの高い事業でも貸付を認める傾向にあり、銀行融資に落ちた軽貨物業者でも借入を実行できるチャンスがあります。どうしてもまとまった資金が必要なときの手段として、ビジネスローンという選択肢を念頭においておきましょう。

軽貨物業者でビジネスローンを活用するメリット・デメリット


ビジネスローンの利用を検討するうえでは、メリット・デメリットの双方を理解したうえで、慎重に利用すべきかを判断してください。

軽貨物業者でビジネスローンを活用するメリット

メリットは主に次のポイントです。

  • 柔軟に資金調達ができる
  • 手続きが簡単で利用しやすい
  • 無担保・無保証で利用できるものが多い

ビジネスローンは銀行融資と比較すると審査が緩く、また簡潔に手続きが完了するケースが多いです。そのため軽貨物業者でも資金調達しやすい傾向にあります。また、通常の貸金業と異なり総量規制の対象外なので、事業者の信用力次第では多額の資金調達ニーズに対応できる場合もあります。

ビジネスローンはオンライン上で手続きが完結する業者が少なくありません。最短で即日や翌日融資できる金融機関もあるなど、迅速に資金調達できるのも特徴です。また、ビジネスローンは無担保・無保証で受けられるサービスが多く、担保や保証を用意できずに銀行融資を断られた事業者でも活用できるチャンスがあります。

軽貨物業者でビジネスローンを活用するデメリット

軽貨物業者がビジネスローンを利用するときは、次のようなデメリットがある点をおさえておきましょう。

  • 金利が高い
  • 信用評価上マイナスに働くリスク
  • 銀行融資よりは借入限度額が低い場合も

ビジネスローンの金利の上限は10%を超える金融機関も多く、多くの銀行融資よりも金利水準が高い傾向にあります。多用すると金利負担が増大して、軽貨物業を圧迫するリスク要因になるでしょう。

また、ビジネスローンの多用は信用力を低下させ、銀行融資の審査などにマイナスに働く場合も。少なくともビジネスローンを完済しなければ、銀行融資の実行は一段と遠のくでしょう。また、借入限度額は銀行融資より低い傾向にあります。

例えば日本政策金融公庫では小規模事業者向けの国民生活事業の場合で、無担保でも限度額が4800万円(一部用途は7200万円)となっています。ビジネスローンの限度額は、一部は高額な上限を設定している金融機関も見られますが、小規模な軽貨物業者の場合は、数百万円程度など限度額が伸びないケースが多いです。

軽貨物でビジネスローンを検討するときのポイント


ビジネスローンを検討するときには、次のポイントに着目して契約内容や金融機関選びを行ってください。節度をもって利用し、財務状況を圧迫させないようにすることが大切です。

借入額は必要最小限に

利息が高めなビジネスローンは、借入額が高いほど事業の圧迫要因となります。そのため、経営を進めるうえで必要最小限の額を借り入れることが大切です。

必要金額を正確に見積もるためには、精緻な事業計画の策定も重要となります。事業計画がずさんな状態では、資金の過不足を把握すること自体が困難だからです。

複数の機関と相談して金利が安い先を利用

金利水準は返済負担に直結します。できるだけ金利の支払いコストを抑えるに越したことはありません。複数の金融機関を比較して、金利を抑えられる先を利用しましょう。

なお、借入額や返済期間などによって金利水準が変化することもあるので、最適な必要金額や返済期間と並行して金融機関選びを行ってください。

返済期間を最適化

返済期間も重要な要素に。ローンは同じ金利水準であれば、一般的に返済期間が短いほど総返済額が少なくなります。また、完済が早いほど銀行融資をはじめとした他の資金調達方法を検討できるタイミングも早まります。

一方で、返済期間が短いと月々の返済額が大きくなるため、収支管理が難しくなります。事業計画をもとに、返済を確実に実行できる範囲内で返済期間を短く設定することが大切です。

担保の有無を確認

ビジネスローンは無担保・無保証が多いものの、中には担保を求める金融機関も。また無担保のローンを扱っている先でも、担保提供により金利が優遇される、限度額が伸びるなどのケースも考えられます。

検討しているローン契約の担保の要否を確認の上、利用を検討してください。

なお、不動産などでまとまった金額での担保提供が可能な場合は、銀行融資が利用できる可能性も高くなります。「軽貨物は銀行融資が利用できない」と決めつけてしまわず、銀行との交渉にもトライしてみましょう。

ビジネスローンのデメリットが気になるならファクタリング活用も一案


ビジネスローンは軽貨物の資金繰りを改善させる上で有効な手立てですが、金利が高く返済負担が膨らむ恐れがある、信用が悪化して銀行融資が通りにくくなるなどのデメリットがあります。

もし、信用悪化や後々の返済負担の増大といったビジネスローンのデメリットを回避したいなら、代替案としてファクタリングを活用するのも一案です。

ファクタリングは手元の売掛債権(請求書など)をファクタリング会社に譲渡することで、債権の額面から手数料を引いた金額を現金化できる仕組みです。中小企業の資金調達手段としてさかんに活用されています。

ファクタリングは借金ではないので、債務を増やすことがなく、信用力を悪化させる心配もありません。また契約時に受け取る現金から手数料が差し引かれる以外で金利支払いなどが発生することもなく、調達した資金の返済も不要です。

後々の返済負担が膨らむのを抑えたい、もしくは近い将来銀行融資にトライしたいと考えている軽貨物事業者の方は、ビジネスローンの代わりにファクタリングの活用を検討してみましょう。